2014/11/900:33:42
4次元では過去や未来も同時に存在していますか?
ベストアンサーに選ばれた回答
2014/11/1211:59:50
19世紀には、単純に空間の3次元と時間の1次元を合わせた「四次元」が存在すると考えられていたようで、ウェルズの『タイム・マシン』にも、「時間は空間の4番目の方向に過ぎない」などという言葉が出てきます。つまりその方向を見つければ未来への過去へも行けるというわけです。
しかし20世紀になって、時間・空間はそんなに単純ではないとわかってきました。
特殊相対論では時間と空間を合わせた「4次元時空」を考えますが、それは「異なる2点間の距離がゼロ」になる(零測地線)ことがあるなど、普通に考える「時間」や「空間」とはまったく違っています。図形と言うより数式の世界で、過去へ行ったり未来へ行ったりできるような「19世紀的四次元」ではありません。
ただ、今でもそのようなイメージを持っている人もいるようで、知恵袋の回答の中にも「四次元では時間を遡れる」などという19世紀の亡霊のような回答がたまに見られます。
4次元では過去や未来も同時に存在しているかという問題に関しては、「四次元空間」の場合と「四次元時空」の場合では異なります。
「四次元空間」は時間とは無関係です。
一方、 「四次元時空」では、運動によって座標軸が傾くので、
ある慣性系での「同時の出来事」が別の慣性系では「同時の出来事」ではなくなります。
つまり、ある座標系で現在(同時)の事件が別の座標系では「過去」であったり「未来」であったりします。
その意味で「過去や未来も同時に存在している」と言えないこともないでしょう。
しかし、光に近い速さが関係していなければほとんど意味ありません。
※なお、「パラレルワールド」は関係ありません。
パラレルワールドは量子力学の多世界解釈で枝分かれした世界であり、お互いに全く相互作用できないし存在を確認することもできないもので、「座標軸」でつながれてもいません。それで「四次元空間」でも「四次元時空」でもありません。