Quantcast
Channel: Mutual Aid Japan
Viewing all articles
Browse latest Browse all 11837

インドラジャトラと御柱祭 ( Indra Jatra )

$
0
0

Indra Jatra kicks off

転載:http://tankyu.hatenablog.com/entry/20070708/kumari

クマリといえば、このカトマンドゥに、諏訪大社御柱祭とそっくりな祭があることで知られている。

また、カトゥマンドゥにも諏訪大社にも「生き神」が存在する(した)ということでも共通している。
詳細は前述の『聖地巡礼ファイル』で書いているので、そちらを読んでください。
御柱に似ているというネワール族の祭りは、インドラジャトラをはじめとして3つあるが、特にインドラジャトラが酷似している。
諏訪とカトゥマンドゥの祭と生き神を比較すると、以下のようになる。

御柱祭でもインドラジャトラでも、山から木を伐採して曳いてきて、神社(インドラジャトラでは王宮広場)に建てられる。 諏訪大社御柱祭とカトゥマンドゥのネワール族の祭であるインドラジャトラ/ビスケートジャトラでは、共に柱建ての祭がある。 ネワール族の祭は毎年9月に行われるが、御柱祭は申年と寅年の年の6年に一度行われる。 インドラジャトラでは里曳きや柱建ての際に、御柱祭のように人々が柱に乗ったりしないが、御柱も昔は人が乗らなかった。 ネワール族の祭では柱は1本のみ立てるが、御柱祭では4つの宮の角四隅に4本立てられる(系16本)。 柱立ての時に(御柱では曳航の際にも)、景気づけに管楽器をブカブカを鳴らすのも共通している。 諏訪大社にはかつて大祝(おおほおり)という生き神的人間がいて、建御名方神の末裔である神(みわ)氏から8歳〜15歳の少年が選ばれた。カトゥマンドゥのクマリは生き神的存在の少女で、ネワール仏教徒のサキャ出身の初潮を迎えていない少女から選ばれる。 建御名方神が大祝の身体を借りるとされたが、クマリは祭の前夜に体内にタレジュ女神を宿す儀式が行われる。 クマリはインドラジャトラの歳に山車に乗って練り歩くが、大祝も御柱祭の歳に巡行したと思われる。 諏訪湖は山に囲まれた諏訪盆地にあるが、カトゥマンドゥも山に囲まれた盆地で、古代には湖だったことがわかっている。 カトゥマンドゥにはスワヤンブナートという名の寺院があり、その名称が諏訪を思わせる(まあ偶然だろうが)。


諏訪市立博物館で上映されているビデオでは、「松の木を曳いてきて里に立てる祭り。見立て、伐採、曳行、川越し、柱立てとまさに御柱祭と同じ」と紹介されている。
誰がどう見ても、両者は酷似しているのだ。
関心がある方は、諏訪大社に参拝されることがあれば、上社本宮の前にある諏訪市立博物館に寄れば、インドラジャトラの映像を見ることができる。
ほかにもこの博物館には、薙鎌(なぎがま)などの御柱祭に関係した資料が豊富で、一見の価値ありです。

だが、これをもって御柱とインドラジャトラ、大祝とクマリを無理やり結び付けようとは思わない。
クマリの風習は比較的近代(18世紀?)に始まったとも言われているし、ネワール族が海を渡って諏訪の地にたどり着いたとかいう可能性は、いまのところはわからない。
少なくともいえることは、柱建て祭は世界的に広く見られるものであり、特にインドから東南アジアにかけて残っている。
両者の民族が直接つながらなくても、そのルーツとなった民族や文化は、どこかで共通するものがあったのかもしれない。

Indra Jatra


Viewing all articles
Browse latest Browse all 11837

Trending Articles