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<補正予算>「低所得者に現金」案 消費喚起狙う

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医療・生活困窮者への救済が最優先されなければ真の改革は始まらない

毎日新聞 10月16日(金)8時30分配信

 政府が年末に編成する2015年度補正予算案に、低所得者に対する3万~5万円の給付措置を盛り込む案が浮上していることが15日、分かった。本田悦朗内閣官房参与(明治学院大客員教授)が毎日新聞に対し、同案を安倍晋三首相に提案したことを明らかにした。14年4月の消費税8%への引き上げ後、低迷している個人消費の喚起策とし、デフレ脱却を後押しする狙い。

 政府は現時点で補正の編成方針を正式決定していない。しかし、本田氏は第2次安倍政権が掲げた旧三本の矢のうち、第一の矢の「大胆な金融政策」を提唱した経済ブレーンの一人で、首相の信頼も厚いだけに、同案を軸に検討が進む可能性がある。

 本田氏の案では、給付対象者は14年の消費税率8%への引き上げに伴い導入された簡素な給付措置(15年度は6000円)を受給している約2400万人で、給付総額は最大1.2兆円になる計算だ。現行の仕組みを活用するため新たな制度設計が必要なく、予算成立後速やかに支給できるのが利点という。本田氏は「消費増税後、高額所得者はほとんど消費を減らしていない一方で、低所得者や無職の人などは極端に消費を減らしている。そこをまず支援すべきだ」と述べた。

 秋の臨時国会が開かれる場合は低所得者給付に災害復旧対策費などを加えた総額3.5兆円規模の補正予算案を編成し、同国会中に成立させるべきだと提案。臨時国会が開かれない場合は、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉の大筋合意を踏まえた農業対策や少子化対策なども加えた4兆~5兆円規模に拡大し、来年の通常国会で成立を図るべきだとの考えを示した。給付後も個人消費が上向かない場合は「16年度も3万円程度の給付を続けるべきだ」とも話した。【宮島寛】


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