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ベーシックインカム導入国、実施国はないが近い国はある

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公開日: 2015/06/07 : ベーシックインカムの考察

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ベーシックインカムという考え方があります。これは日本でもある程度議論されるようになってきたのが、ここ5~10年くらいの間で、私もベーシックインカムを知ったのが、多分7年前くらいですかね?大学生だったと思います。池上彰さんの番組でこれを解説してくれていて、初めて制度の中身まで知りました。私はそこからベーシックインカムについて非常に興味を持って、今日まで過ごしてきたわけですけど、世の中の反応としては様々で、賛成する人もいるが、反対している人もいる。理由はそれぞれあるでしょう。ベーシックインカムはメリット、デメリットあるから、それらを対比させて、人々は結論を出しているのだと思います。私は国が国民から利益を受けている以上は、その見返りとして最低限の安心した生活保障くらいはすべきでしょう。国は子供を産ませているのだから、その子供が生涯にわたって安心できる社会にしていくべき。それが子供を産ませようとする、少子化政策を行う国としての責務だ。という理由から賛成の立場になります。

ベーシックインカム導入国は今のところない?

見落としているという国がなければ、現在のところでベーシックインカムを実現したという国はないはずです。1番近い存在にあるのがスイスかもしれない。ここは、以前ベーシックインカム導入の国民投票が行われて、その結果がどうなったのか?は報道されず、よく分かりません。スイスは1ヶ月あたりに約25万円くらいを毎月国民に支給するという案があって、その賛否を問う形となりました。25万円と聞くと、非常に高額と思われるかもしれませんが、スイスは日本と物価が全然違うので、単純比較してもあまり意味がない。日本と比べると、物価がかなり高い。というか、多分、物価の高さは世界一だと思います。スイスは国民投票までこぎつけたわけですから、実現の可能性はかなり近いところまで迫った。少なくとも、国の中の関心事項として、かなりレベルの高いところまで議論されたということになります。

カタールがベーシックインカム導入国として近いかも?

これはベーシックインカムが導入されているわけではないものの、それに近い国としてはカタールがあるかな?と思います。中東に位置するカタールは、2022年のワールドカップ開催国とされていますが、通常の開催時期に気温がとんでもなく高くなるため、時期をずらすか?別の国で開催するか?揉めています。そんなカタールは消費税、所得税が無課税、電気、水道、光熱費が無料、病院の診察台が無料、幼稚園から大学までの授業料が無料など、非常にお金がかからない生活を国民が満喫できて、国がそれを支援しているという状況があります。また、結婚すると国から土地が貰えるみたいです。ヨーロッパには、福祉が非常に充実している国があります。そういった国でも同じような恩恵を受けている場合もありますが、その場合は消費税が20~30%くらいと非常に高いのが特徴で、カタールの場合は0ですからね。これは凄い。カタールでは、ベーシックインカムのように直接お金を与えているわけではないものの、使うお金を極力減らしてくれるように、お金を使わないで満足した生活が送れるように、国の配慮が働いているという意味では、日本のような国で直接現金を配っている状況と大差ないかもしれません。カタールは石油や天然ガスが豊富で、それがこういった政策ができる理由になっていると思います。金とかプラチナがよく採れる南アフリカあたりが今後同じような政策を実施するかもしれません。世界の中で優位に立てる要素を持っている国は、やっぱり強いのです。

格差社会よりも貧困こそが最大の問題

日本は格差問題と貧困問題両方抱えていますよね。先進国はだいたいそうかもしれませんけど。格差社会というのは、せいぜい嫉妬を生むだけで、それが国民生活に致命的な問題を生むわけじゃないと思うので、無視して良いとは言わないけど、言うほど問題かな?とは思います。ただ貧困はやはり問題だと思っていて、かなりの少数派かもしれないけど、まるでアフリカの人たちと同じような暮らしをしている人もいるわけですよ。お金がない、今日を生きる食料もない。ゴミ箱から雑誌などを拾ってお金に代えて今日を生きる食べ物にありついている人とか、生活保護を打ち切られて、または支給されずに餓死しそうな人たちとか、日本という先進国で、どうしてそんな人がいるの?と思えてしまうような人は少なからず現実的にいます。それは所得再分配が不完全だということです。彼らには基本的に分配がされません。だから、生活保護とかが本来はその役割を果たすべきで、生活保護で代替ができるならば、ベーシックインカムはいらないかもしれないが、生活保護は審査があって、無条件で支給されないので、どうしても漏れる人が出てくるし、この人なんで貰えないの?と首をかしげるようなケースもある。ましてや支給するか?否か?は自治体の職員に決定権があるから、彼らの匙加減で違法な水際作戦とかで支給されるべきなのに、されないケースも出てくる。人間が1人1人を見て支給か?不支給か?を決定している以上は、ある意味当然起こりうる現象です。

それを国は放置している。それどころか、扶養義務を強化したり、支給金額を下げたりして、余計にそういう人たちを見捨てるような政策を進めている。それが国のやることであり、自民党のやることなんでしょう。そんな国にベーシックインカムを懇願したところで、実現するわけはないのだが、生活保護という最後の砦が失われつつあるため、もはやセーフティネットとしては機能していない。すると、どうなるか?刑務所に頼る人が出てくるわけ。生活保護が支給されないから生きていけないような人は、犯罪を犯して逮捕されれば、確実に最低限の生活は手に入るわけです。詳しくは「刑務所がセーフティネット?刑務所に入りたい人が増える理由」の記事でも書いたのでそちらを見てほしいのですが、今日を生きるお金とか食料とかもままならない人は、そのまま生きていても最低限の暮らしどころか、明日を生きる糧もないわけ。ただ、刑務所に入れれば、飯はちゃんと食べられるし、家もあるし、寝る場所もあるし、ということで、現在の暮らしを比べてある意味相当恵まれているわけです。ましてや、彼らにとっては「無敵の人」という言葉があったように、犯罪を犯すリスクがほとんどない。つまり、例えば強盗をして捕まらなければ、そのお金で生活していけるし、捕まっても刑務所に入るから、今より生活水準は上がる。どっちに転んでも最高の結果なんです。彼らにはもはや犯罪を犯さないメリットがない。そういう人が増えているのです。つまり、ベーシックインカム等で、国民全員に最低限の生活を保障しないのならば、そういう無敵の人が犯罪を犯すことの正当性を与えてしまう状況に等しいと思うのです。犯罪を犯した方がむしろメリットすらあるような人たちに対して、最低限の保証はしない。でも、犯罪は許さないというのならば、じゃあ彼らに対して、黙って死ねと言っている状態に等しいわけです。さあ、国はこういう姿勢で良いのでしょうか?


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