Quantcast
Channel: Mutual Aid Japan
Viewing all articles
Browse latest Browse all 11837

愛知ソニア〜イナンヌが語るアヌ一族の物語ー18

$
0
0

2013年02月28日

ニンマーとエンリルの恋

ニンリル:ニンマーがニビル星から連れてきた看護婦で
エンリルと結ばれる前は「スド」と呼ばれていた。 
ニヌルタ:エンリルの第一子。
エンリルが若い頃、ニンマーと恋をして生まれてきた息子

エディン :北にエンリルの城があるレバノン杉に囲まれた森林地帯
エリドゥ:第一の都市。アラルにエンキが与えた領土で、
アラルの死後エンキは王妃ニンキ(ダムキナ)をニビルから迎えて移り住んだ。
エリドゥの都はアヌンナキの第一の都として栄えた。
アブズ;エンキの領土で、エクル周辺も含めて広大な範囲に及ぶ

イギギ:(観測し、見る者)
ニビル星から地球に行ったアヌンナキと同時期に火星(ラーム)に送られた、
アンシャガルの子孫たち



 研究熱心なニンマーにとって、兄のエンキは刺激的な存在だった。アヌは、自身の純粋な血統を守るためにエンキかエンリルのどちらかにニンマーと結ばせるつもりだったが、最終的に選ばれたのは、長男のエンキだった。それにしても物事は計画通りにはいかない。まだ恋を知らない乙女だったニンマーは、弟のエンリルに夢中になっていた。なぜならば、エンリルはエンキよりも10シャルほど年が若いだけでなく、彼のその透き通った淡いブルーの肌は魅力的で、ハンサムな貴公子だったからだ。もちろん、エンリルの方もニンマーに恋心を抱いていたので、二人はたちまち恋に落ち入り、愛の戯れからニヌルタという男の子が生まれた。

 このようにして生まれたニヌルタは、エンリルの息子ということであるが、エンリルの正式な妻ニンリルから生まれたナンナールの母違いの兄になる。ナンナールはイナンナの父。これは、まだ彼らの地球行きが決まっていないずっと昔の出来事だった。

 エンリルがニンマーと交際しているという噂はやがてアヌの耳にも入ってきた。アヌは、ニンマーとエンキの縁を望んでいたので腹を立てたことからふたりは罰せられた。アヌによってニンマーは、永久に配偶者を持つことを禁じられた。それはきわめて重い罪を負うことになった。

 そして、ニンマーとエンリルの間に生まれたニヌルタは、ニビルのアンツの宮殿でアンツに育てられることとなった。ニンマーはひどく落ち込んだが、一旦物事が決まると以外にも立ち直るのが早いのがニンマーという女神である。

 彼女はすっかり心を入れ替えて、再び研究に没頭した。ニンマーに流れるアークチュール星人の血が層させるのである。冷静さにかけては、アークチュール星人はシリウスの存在たちと同じように自然に彼らは常に冷静さを保っておける。ニンマーにしてもそれは同じで、あのときのアヌの判断が正しかったことにやがて気づく。

 しかし、ニンマーの気持ちを蒸し返すようなことが、恋の終わりから数シェルが過ぎてから起きた。ニンマーとエンリルが再開することになったからである。つまり、彼女の地球派遣が決まったからだ。

 ニンマーは大勢の女神の看護婦たちと大型シェムにのり、ニビルのアカデの港から出航し、無事地球に到着した。そのとき地球でニンマーたちの到着を大勢のアヌンナキたちは出迎えた。当然、兄妹のエンキとエンリルも先頭に姿を見せていた。

ニンマーは、久しぶりに会う二人の兄に一族の話やニビルの近況を夢中になって語った。特に二人の兄たちが知りたかったのは、アラルの死についての詳細だった。

 ニンマーは二人の兄に特別な土産も準備してきた。それは、自身が調合したニビルの薬草で作るエリキシル(万能薬)のだった。早速二人はそれを飲んでみた。するとみるみるうちに彼らの身体にエネルギーが満ち溢れてきたので、ふたりは顔を見合わせた。

 「私の地球での使命は、アヌンナキの労働者を癒すことです」

 とニンマーは微笑みながらいった。

 「ならば、ぜひニンマー、私がこの地球に建てた城をぜひ、あなたに見てほしい」

 そうエンリルは誘った。

 ニンマーは一瞬それを拒否しようとしたが、うれしい気持ちに満たされ、それを受け入れた。側にいたエンキも彼女が喜びを隠せないでいるのを見抜いていたので、アヌの彼らへの処分を知っているエンキだったが、
ふたりに反対しなかった。ふたりは小型シェムで、エンリルの城に向った。それはレバノン杉で覆われた高い山々が連なる場所にあった。

 アヌからニンマーとの交際をたち切られたエンリルは地球に旅だった。到着すると涼しい場所を求めて方々を旅した。そして、「エディン」とアヌンナキがよんでいる北にあるレバノン杉の地(今のレバノン周辺)を彼は選んだ。エンリルはエンキとはちがい、太陽に弱い肌をしているからだ。

 エンリルはアヌからもらったme(メ)を用いて、その山肌にあった巨大な岩を一瞬にしてフラットに切り落とし、そこをまず、ェムの滑走路にした。さらには同じくme(メ) で、冷涼な山の頂きに高層の城を完成させた。そのご自慢の城に彼はニンマーを招き入れた。

 エンリルのニンマーへの思いは冷めたわけではなく、そんな彼の気持ちを知りながらニンマーは必死で自分のアークチュリアンの理性を保とうとした。思う存分語り合ったふたりは、自分たちの間に生まれた息子ニヌルタのことにも言及した。

 「せめてもニヌルタが地球に来れば、君の慰めにもなるだろうに。ニヌルタを君の元に送ることを約束するよ」

 エンリルはニンマーにそう告げると、彼女をラボと病院があるデルムンの丘を目指して飛びたった。エンリルは、ニンマーのことが諦められず未だに独身を貫いていた。愛する妹のためにと、あるとき彼は自分が住む城からほど近い谷間のある場所に、彼女の病院を建ててやった。ニンマーは感激し、その場所を「シュルバク」(安息の都)と名づけた。彼女はニビルから持ち込んだ薬草をその周辺一帯に育てた。ニビル星の植物が地球で育つを見ることが女神ニンマーのいちばんの喜びだった。


 エンキが、アラルの娘ダムキナを娶ることに決まったのは、彼がニンマーと結ばれることを断念して間もなくのことだった。父アヌの要望で、アンシャガル一族との絆を強めるための、これは政略結婚であったが、幸いにもダムキナはエンキが一目惚れするほど美しい女神だった。

 エンリルより先に地球に到着したエンキは、義理の父アラルが亡くなってからは、アラルの着陸所があるエリドゥの都に住んでいたが、しばらくすると、金の採掘量が多い南方の灼熱の太陽が照りつけるアブズに移った。アブズのある湖畔に彼も屋敷を建てた。そこからエンキは地中を採掘するスプリターと呼ばれる、見事に地面をかち割ることができるme(メ)を使って、地球奥深くに探検に出ていた。

 ダムキナはアヌンナキの正式な妻として地球に迎え入れられると「ニンキ」改名した。

 ニンキとは、もちろんエンキの妃であることがわかる名前であるが、その意味は、彼らのことばで、“地球のレディー(淑女)”という。女神ニンキと結ばれたエンキは、ニンキが暮らすエリドゥと、金の採掘現場であるアブズを忙しく往復した。

 ちょうどそのころ、アヌンナキの総司令官エンリルは、ユーフラテス川沿いに5つの都市計画を進めていた。

 第一の都市は、地球移住計画がスタートしてエンキが開いたポート都市エリドゥで、第二の都市は、エンリル自らが管理する北の軍事基地ラルサ。三番目は、ラルサの北東に位置するラガッシュ。四番目は、ラガッシュより北のシュルバク。エンリルがニンマーに捧げたレバノン杉に囲まれた山麓の病院がある都市だ。

 そして最後は、シュルバクより北西部に位置し、エンリルにとって最も重要な都市となるニップール(天と地を結ぶ都市)で、ここがアヌンナキの首都として定められた。そしてそこには地球初の宇宙管制センターをがおかれた。ニップールは、ニビル-地球間の往復のために必要な管制センターとしての役割を果たすだけでなく、宇宙観測天文所としての重要な役割があった。

 そのころはまだ、ニビル-地球間の折り返し地点にラームを経由していたが、このラームを経由する必要が無くなればとエンリルは常に考えていた。

 ニビル星人の地球派遣がはじまると、アンシャガル一族は中間ステーションのラームに移り住んだ。そして彼らは「イギギ」とよばれ、アヌンナキとは区別された。しかしアンシャガル一族は、アヌ一族とはっきりとした容姿のちがいがあった。

 彼らはアヌ一族とはまた異なるタイプのニビル星人であることから、なにかと差別を受けた。そうするうちに彼らの気高さはどんどん消えていき、ラームの厳しい条件下に暮らしているうちに気性も荒く好戦的傾向が強くなっていった。

 彼らの肌もプレアデス系のアヌ一族とはちがい鮮明なブルーではなく、茶褐色がかった濃いブルーの者たちが多かった。ニビル星からラームに移住したアンシャガルの子孫たちは、イギギ(観測し、見る者)と呼ばれ、アヌンナキとは区別され、ニビル星人の二つの社会が形成されていった。

 エンリルはイギギたちを、アヌ一族の中でも特に彼らを嫌っており、彼らとはトラブルを起こしたくなかったので、ついに地球ニビル間の直行ルートを発案する。

 この計画には、「運命の石板」と呼ばれる最高クラスのme(メ) が重要な役目を果たした。地球に派遣されることが決まったときに彼はアヌから引き換え条件として、この貴重なme(メ)を手に入れる。

 次回は「運命の石板」です。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 11837

Trending Articles