2014年3月3日
http://philosophyofmetrics.com/2014/03/03/the-great-work-of-the-ages/
The Great Work of the Ages/Special Drawing Rights and the World Currency
March 3, 2014 JC Collins
ウクライナで起きている事はミクロ的な小さい一部分である。SDRと新ブレトンウッズとの題名の一連の論文の中で、ドル支配の古い金融システムがゆっくりとIMF(国際通貨基金)による新しいSDRシステムへと移行して行く様子が描かれている。この新しいシステムの要点は、世界の通貨と商品に米ドルではなく、SDRとの対比で等級を付けるということである。これが新しい交換レートシステムとして説明されている。
我々はまた、世界の主権者債務が各国のSDR消費の中に組み込まれる様子を考察した。ある国の負債は別の国のSDRの中に組み込まれる。これが現在中国が保有している米国債について起きる可能性が高い。
ウクライナの主権債務は現在の政治ドラマの展開によって、沸点に達した。2013年12月にロシアがウクライナに提供した150億ドルの救済はSDRで支払われるだろう。SDRの構成と割り付けを通じての負債の統合として実施される新金融システムの前提としてこれを理解することが大切である。
ロシアのメドベージェフ首相がウクライナのアザロフ首相に2013年12月24日のモスクワでの会合で語った事は、
”ウクライナはIMFに2014年に期限がくる24億SDR(38億米ドル)の負債を負っている。IMFはウクライナの通貨フルヴニアを負債の統合の一側面として減価するよう要求した。これはフルヴニアを米ドルから切り離してSDRに結びつけるとの私の提案である。”
とのことであった。これは我々が以前から見通しているヘーゲル弁証法的なプロセスのうちの小さい一部である。
ロシアの戦車は実際上既にウクライナの土地であるエネルホダールにまで進軍した。この地域は、ウクライナにとってのエネルギーセクターで水力、原子力設備が設置されている。マークを消したロシアの戦車が数日前にザポリツィアからエネルホダールに進軍している。西側のメディアは、これらのロシアの動きを一切報道していない。現時点でロシア勢力はクリミアだけでなく、ウクライナ全体に展開しているものと思われる。
ロシアはウクライナとそのエネルギー産業に対する支配権を直接、間接に抑えるつもりなのだ。
米国は基軸通貨としてのドルの立場と、新システムにおける重要性を確保しようとしているが、望みはかないそうにない。時代の大仕事におけるドルの目的と役割は達成され、終わったのだ。その力は全ての中央銀行をBIS(国際決済銀行)の直接の支配下に置く統合と集中の助けになった。米ドルは、新しいSDRのシステムが先駆けになる主権負債と通貨危機に繋がっている世界にインフレーションを吹き込んだ。米ドルが経済の病弊の原因であるとは世界全体が一致している事である。真のヘーゲルの弁証法的な形で、問題が発生しているのである。これに対する対応は制御され、方向が定められている。今新しい解決策が世界的なレベルで圧倒的な姿を現しつつある。
優れたヘーゲルの論文のように、遠い昔に種は蒔かれている。1988年6月9日に、経済雑誌、エコノミストの表紙にはフェニックスの紋章が飾られた。そこに見られる言葉は、”世界通貨の準備をしよう”というものであった。この雑誌の記事に、この通貨は2018年までには現実のものになる、とあった。今この年は、BISが描いたバーゼル?の銀行規則が完全実施される年に相当している。
この表紙には又不換紙幣の山が燃やされている様子も描かれている。これが意味する所は明快で、新しい世界貨が古い通貨の燃えかすの中から浮上してくるだろうと言うことである。新システムは古いシステムに代わって現実化されるだろう。ミクロなドル基軸通貨はマクロなSDRシステムに置き換えられるだろう。
主権負債と通貨交換レートの操作は直接IMFによる、SDRとの対比での商品と通貨の等級付けを通じての負債統合という解決策へと導かれるだろう。
翻訳 Taki