Ray:安部総理を使ってインドや中国に武器資金を出しているのは、日本の歴史的隠れ資金者です。このような隠し資金はエジプトなど世界まだまだ残っています。光は闇の資金回収のため資金使途を限定して表に出すことを認めているようです。それは闇の隠れ資金を焙りだすためでもありますが、M1のように闇の慣習的な権限を見極める意味もあると考えられます。そのためには軍産(トップはかなり前に光の意向に沿うものに変わっている)のビジネスを利用するのは効果的な誘導になります。中国の2017年全人代にみられるよう各国のそれぞれの内部改革が進行中であるので、その間に裏側からピンポントで力を削ぐ大きな効果があります。地球市民の意識改革にインパクトを与える段階までこの闇の資金の掃討は鍵になりそうです。いずれにしてもジャーナリズムの論調は「国益優先」という捏造語に躍ってつねに安全パイです。
2017.12.15
ひめだ・こなつ/フリージャーナリスト。アジア・ビズ・フォーラム主宰。1998年末、上海で日本語情報誌を創刊し、日本企業の対中ビジネス動向を発信する。2008年夏、同誌編集長を退任後、語学留学を経て上海財経大学公共経済管理学院に入学、修士課程(MPA)を修了。2014年以降は東京を拠点に活動。近年はインバウンドを重点的にウォッチ、「ダイヤモンド・オンライン」などで最新動向を連載中。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリヤコミュニケーションズ)。今夏、『インバウンドの罠』を時事通信出版局より出版。China Report 中国は今
90年代より20年超、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。最近はインバウンド動向を重視、日本国内でも問われ始めた「中国人との向き合い方」を模索する。
中国の「一帯一路」にインドが反旗、アジア2大国の壮絶バトル
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袂を分かつインド
インドと中国が世界の「パワーゲーム」の主力になるといわれる中で、2大国の拮抗がクリアになってきた。「一帯一路」構想と袂を分かつかのような動きがインド、そして日本に顕在化している。
それを象徴する動きが、今年5月に北京で開催された「一帯一路」構想の国際フォーラムだ。インドが、このフォーラムに政府代表団を派遣しなかったのである。インドは「一帯一路」構想に第一陣として参加する、アジア21ヵ国のうちの一つであったにもかかわらずだ。
「一帯一路」構想に対するインドの懸念は、パキスタンのインフラ建設「中パ経済回廊」に他ならない。中国の資金で進めるこの回廊が、パキスタンとインドがともに領有を主張する、インドのジャムカシミール州を通過することに不快感を示しているのだ。
「海上のシルクロード」といえば、あたかも交易の発展に資する“夢の航路”を想像させるが、インドにとっての現実はそんなポジティブなものではない。中国がインドを取り囲むようにして進行させる「一帯一路」構想で、インドの影響力は徐々に減退する傾向にある。
すでに中国の影響力は「南アジア地域協力連合(SAARC: South Asian Association for Regional Cooperation)」の加盟国にも及んでおり、“インドの裏庭”といわれるスリランカやバングラデシュなどでは、中国資本による港湾開発が行われている。
日本の海洋政策に詳しい専門家によれば「インド洋で中国の潜水艦航行が常態化し、原子力潜水艦すら目撃されている」という。
中央アジアはインドの生命線カザフスタンの原油輸入で対立
中央アジアをめぐっても、インドは中国と真っ向から対立する。
中国は、資源確保をめぐり、中央アジアを「一帯一路」構想の重要な沿線の国々として位置付けている。原油の調達先を西から東に移動する動きを見せており、中国の資源専門メディアが「従来のアフリカから中央アジアにシフトさせている」と指摘するように、中国はカザフスタンからの原油の開発輸入を期待している。
しかし、それはインドの利益と反する。インドもまた、カザフスタンからの資源輸入を狙っているのだ。資源確保と同時に、中央アジアにおけるプレゼンスを高め、企業を進出させ、そこで生産した製品を欧州に送り込む狙いもある。
また「一帯一路」構想そのものが、インドの利益と反するといえる可能性がある。インドは、中国の「一帯一路」構想の発表から10年以上もさかのぼる2002年に、ロシア、イランとともに「北南輸送回廊(INSTC:International NorthミSouth Transport Corridor)」を打ち出しているのだ。
全長7200キロメートルにおよぶこの経済回廊は、インドと中央アジアやロシアを鉄道、道路、船を使ってイラン経由で南北に結ぶもので、2015年時点でベラルーシ、カザフスタン、タジキスタン、オマーン、アルメニア、アゼルバイジャン、ウクライナ、キルギスタン、トルコがこれに参加している。
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インドは、米国や欧州の対イラン制裁などを理由にINSTCを10年にわたり凍結させたが、近年再びこれを復活させた。インドには、INSTCをさらに拡大する計画がある。
インドのムンバイとイランのバンダルアッバス港を海路で結び、その先のアゼルバイジャンの首都バクーを経由し、モスクワ、サンクトペテルブルクへと陸路で結ぶというルート、またロシアからバルト海に出て欧州をめぐるルート以外にも、イランからトルクメニスタン、カザフスタンを結ぶ鉄道をイラン国内の鉄道に連結させてペルシャ湾に至るルートなど複数が存在する。あたかも「インド版一帯一路」を見るかのようだ。
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ソ連崩壊後、インドはパキスタンを牽制する意図から、真っ先に中央アジア5ヵ国と外交関係を結んだが、インドにとって中央アジアは軍事的にも切り離すことができない。
物流の9割を海運に依存する日本はインドと連携
2017年5月、アフリカ開発銀行の年次総会で、インドのモディ首相は「アジア・アフリカ成長回廊(AAGC:Asia-Africa Growth Corridor)」の骨子を明らかにした。
東南アジア─太平洋─南アジア─アフリカをカバーするこの経済回廊の特徴は、質の高いインフラ建設と、人と人とのパートナーシップを重視する点にあり、健康、医薬、農業あるいは災害対応などのプロジェクトが優先される。素案づくりにはインド、ジャカルタ、東京の調査チームや学者が臨んでおり、2016年に日印首脳間で合意が形成されている。
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また、安倍晋三首相は海洋の安全保障を強化するため、今年11月のアジア歴訪時の首脳会談において、自身が提唱する「自由で開かれたインド太平洋戦略」に米豪印との連携を確認した。
もともとこの構想は、安倍首相が提唱した「日本とハワイ(米国)、オーストラリア、インドの4ヶ所をひし形に結ぶ安全保障のダイヤモンド構想」がベースとなっており、インドを取り巻くようにして中国が布石を打つ海上ルート(「真珠の首飾り」)への抑止が原点にあるといわれている。背景には、物流の9割を海運に依存している日本の現実がある。
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もちろん中国は、インドや日本の動きを好ましくは思っていない。中国の『環球時報』は、「自由で開かれたインド太平洋戦略」という概念について、「中国を狙ったものであり、インドの役割を強調したものだが、その戦略は今のところ中身がない」と批判する。
その一方で、中国はこの4ヵ国にとっても1位の貿易パートナーであることを強調し、中国と経済貿易関係を強めるインド太平洋地区の国家は、「自国の発展を犠牲にするような選択をするのか」と疑問を投げる。
前出の海洋政策の専門家は、「インド洋で中国のプレゼンスが維持されることは、日本やインドにとって望ましいことではない」と語っている。
このところ、安倍首相は外遊先で「自由で開放されたインド太平洋エリアを促進する」という演説を繰り返しているが、「これは『法的秩序に守られた』という意味があり、一国の支配下に置かれることを否定する意味が込められている」(同)。
中国とインド、2大国のパワーゲームが本格化しそうだ。そこには“独裁国家”による拡張を民主主義国家がブロックできるかの挑戦という構図も内在する。今後の動きを注視したい。
(ジャーナリスト 姫田小夏)