6/17(土) 15:00配信

小池百合子・東京都知事は、築地市場(東京都中央区)を豊洲市場(同江東区)に移転する方針を固めた。週明けにもその方向性を表明する。豊洲市場の土壌などの汚染対策を拡充し、安全性を確保する方針。一方、築地市場については、市場機能移転後も「築地ブランド」を生かす方策を検討している。
【写真】豊洲、築地市場の地図
小池氏は昨年8月に知事就任後、豊洲市場の安全性確認などのため、同11月の予定だった移転を延期したが、方向性を示すことで移転計画は大きく動き出すことになる。
移転の可否を判断するにあたり、小池氏は豊洲市場の「安全・安心」の確保と、市場収支の継続的な安定性を重視してきた。この2点を軸に、小池氏の判断材料を精査してきた都の「市場のあり方戦略本部」は15、16両日、小池氏に検討結果を報告。その中で、豊洲市場の土壌や地下水の汚染対策をさらに進めるため、市場の地下の底面をコンクリートで覆うなどの追加対策を示した。
報告を受けた小池氏は「(豊洲市場の)地下への的確な措置を講じ、地上の安全に万全を期して正確な情報を分かりやすく発信する。これが次の方向」などと述べ、情報を公開して都民らの理解を得ながら対策を進める考えを示した。
また、同本部は将来の市場の収支見通しについて、(1)豊洲に移転して築地の跡地を貸し出す(2)移転後に跡地を売却する(3)移転せず築地で再整備する――という3案を検討。このうち(1)を優位に位置づけ、賃料の安定収入があるため約35年後に累積赤字を解消できるなどとした。小池氏は今後、この案を踏まえ、具体的な方針をまとめていくとみられる。
朝日新聞社
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