夕刊フジ 2/2(木) 16:56配信
東京・豊洲新市場への移転問題で、石原慎太郎元知事への包囲網が狭まってきた。都議会民進党が、強い調査権限を持つ百条委員会設置に動き出したのだ。小池百合子知事が、石原氏の責任追及姿勢を強めてから、同様の声が議会内に広まっているが、最大会派で「都議会のドン」こと内田茂都議率いる都議会自民党はほぼ沈黙している。ただ、都民の怒りが高まっており、「慎太郎隠し」は長く続きそうにない。
都議会民進党の尾崎大介幹事長は1月31日の記者会見で、2月の定例会で百条委員会設置を提案すると語った。
同党は百条委員会で、猛毒シアンなどが検出されたモニタリング調査の結果や、土地購入の経緯などを追及し、参考人として石原氏らの招致を想定しているという。
これまで石原氏は「男らしさ」を前面に押し出す言論活動や国会活動を展開し、日本のふがいなさを嘆いてみせていた。昨年夏の都知事選では、小池氏を「大年増の厚化粧」と罵倒した。
ところが、小池氏が豊洲問題について、土地購入時の知事である石原氏に「公開ヒアリング」を再三要求しても、雲隠れしたままだ。
この石原都政を支えたのがドン・内田氏率いる都議会自民党だった。党内の一部には「百条委員会を設置すべきだ」との声もあるが、少数に過ぎない。ドン一派が占める多数派は、石原氏とともに責任追及されるのを恐れているのか。
都議会の定数は127人で、百条委員会設置に必要な過半数は64人。設置賛成は、民進党18人(2会派)や共産党17人だが、夏の都議選(6月23日告示、7月2日投開票)を見据えて、他会派も賛成に回る可能性がある。都議会自民党(57人)内にも設置を求める議員がおり、公明党(22人)が賛成に回れば、石原氏を“現代のお白州”に呼び出すことが現実味を帯びそうだ。
小池氏は夕刊フジ連載「強く、そしてしなやかに」(1月24日発行)で、石原氏について「用地の選定経過が不透明との指摘も解明したい」と寄稿している。
もし、都議会自民党が「慎太郎隠し」に加担するなら、5日投開票の千代田区長選や、夏の都議選にも大きな影響を及ぼしそうだ。
最終更新:2/2(木) 17:15