NHK NEWS WEB http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160901/k10010664031000.html
9月1日 15時01分
アメリカ大統領選挙に向けた最新の世論調査で、民主党のクリントン候補に好ましくない印象を持つ人がこれまでで最も多い56%に上り、関連する財団の献金者に便宜を図っていた疑惑などが影響しているものとみられます。
11月のアメリカ大統領選挙に向けて、民主党のクリントン候補は各種の世論調査の平均値で共和党のトランプ候補を支持率でリードしています。
一方、ABCテレビなどが31日に発表した世論調査の結果によりますと、クリントン氏に「好ましい印象を持っている」と答えた人は、3週間余り前の調査から7ポイント減って41%となりました。
そして「好ましくない印象を持っている」と答えた人は6ポイント増え、クリントン氏を対象にこの20年余りの間行われた調査では最も多い56%に上り、私用のメールアドレスを公務に使っていた問題や、関連する財団の献金者に便宜を図っていた疑惑が影響しているものとみられます。
ただ、トランプ氏の好感度はさらに低く、好ましい印象を持つ人が35%だったのに対し、好ましくない印象を持つ人が63%でした。
ABCテレビは、クリントン氏とトランプ氏の好感度が歴史的な低さを見せていることで、投票率に影響が出ることが予想されるほか、有権者はどちらを支持するか以上に、より嫌いな候補者を当選させないために投票する可能性があると分析しています。
アメリカの政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によりますと、先月18日から30日の間に行われた各種の世論調査の平均値で、支持率では民主党のクリントン候補が46.6%なのに対し、共和党のトランプ候補が42%で、クリントン氏が4.6ポイント、リードしています。
7月下旬に行われた民主党の党大会の直後は、トランプ氏が、アメリカ兵の息子を亡くしたイスラム教徒の夫婦を侮辱したとされる問題などが大きく取り上げられたこともあり、クリントン氏が一時8ポイント程度リードしていましたが、最近、クリントン氏が関連する財団の献金者に便宜を図っていた疑惑が浮上し、差が縮まっている調査もあります。
また、リアル・クリア・ポリティクスによりますと、全米各州の世論調査を基に現時点でクリントン氏が獲得すると予想される選挙人の数は262人で、過半数の270人に迫っています。
一方で、トランプ氏が現時点で獲得すると予想される選挙人の数は154人となっています。
ただ、中西部オハイオ州のほか、南部のフロリダ州やノースカロライナ州などでは、接戦が予想されています。