実は、世の中を回ってるお金の5%だけが現金で、残りの95%は、誰かが借りた借金です。
どういうことかというと…。
普段、僕らが利用している銀行は、預金額の一定割合(仮に1%とします)を残しておけば、残りの99%までのお金を貸し出すことが認められています。
つまり、あなたが友人から預かった1万円のうち、100円だけ手元に置いておきさえすれば、友人の許可なく、残りの9900円を他の誰かに貸すような、一般的には不道徳な行為が、銀行だけに認められているのです。
もし、あなたが1000万円の中古マンションを購入するために、ローンを組んだとします。銀行はローン契約に基づいて、あなたに代わってマンションの販売会社に1000万円を支払ってくれます。すると、マンションの販売会社は受け取った1000万円を、他のどこかの銀行に預金として入金するでしょう。すると、その銀行は新たに増えた預金の99%までを貸し出すことができるのです。その99%のお金も、再び、他のどこかの銀行に預金され、その銀行は99%の99%にあたる98.01%までのお金を貸し出します。するとまた、その銀行は・・・と、これらの行為が最大限に繰り返された結果、なんと、最初の1000万円だったお金は、最終的には9億9000万円のお金になっているのです(このように銀行がお金を増やすことは、「信用創造」と呼ばれています)。
これが、世の中を回ってるお金の9割が借金だという理由です。
そして、もし、この取引きに関わった人たちが、全部の借金を返したならば、今度は、このシステムは逆に作動し始めて、9億9000万円だったお金は、最初の1000万円になってしまうのです。
つまり、借金を返すということは、「信用創造」によって増えたお金も、世の中から消えていくということです。借金をする人よりも、お金を返す人が多いから、世の中を回ってるお金が足りなくなって、今のような不景気になってしまっているのです。
だから、お金はよく血液にたとえられるでしょう。
血液が全身をくまなく循環しながら、酸素を運び、それを二酸化炭素と交換したり、栄養を運び、それを老廃物と交換してくれるからこそ、私たちは生きることができます。
その血液が不足すれば、肉体は貧血となって倒れてしまうように、お金も不足すれば、貧血ならぬ貧金となって、経済は倒れてしまうのです。
また、「信用創造」の一番の問題点は、借金を返済するときに、利息を上乗せしなければならないということでしょう。
その結果、常に、借りたお金より、返すお金が多くなってしまいます。
じゃあ、増えた利息ぶんのお金は、どこから調達したらいいのでしょうか?
世の中に出回っているお金のほとんどは、誰かの借金から生み出されたものですから、利息ぶんのお金も、誰かが借金をしてくれないと、調達できないということです。もちろん、その借金にも利息の支払いがついてきます。
つまり、利息を支払うためには、永久に借金を増やし続けなければならないのです。
高度経済成長期の日本なら、国が借金しなくても、企業がどんどん借金してくれましたから、世の中を回ってるお金は増え続け、利息の返済もできました。 でも、今のように不況で、企業はお金を借りないどころか、借金を返済し続けている状況では、国が企業の代わりに借金してくれなければ、世の中を回ってるお金はどんどん無くなり、日本経済は倒れてしてしまうでしょう。
そのため、国の借金は止まることを知らず、増え続けています。
結局、今のお金のシステムが、借金を増やし続けなければ、成り立たないものだから、永遠に借金の無くならない社会、永遠に借金が増え続ける社会となっているとも言えるのです。
これって、よく考えてみると、すごく異常なことではないでしょうか…。
信用創造が生産者側だけでいいのか?銀行の信用創造で生まれるお金を、銀行貸出マネーと呼ぶことにしましょう。銀行貸出マネーは、企業が、これから生産活動を行いたいという時に、新しくお金を創れるシステムです。好況でお金が必要なときは、どんどんお金が生み出されますし、不況でお金の必要が少ないときは、返済されるお金のほうが多くなります。たいへん柔軟であるという長所があります。なかなかよくできていて、高度成長する経済を支えることができました。
しかし、繰り返しますが、大きな問題もいくつかあります。
銀行貸出はすべて利息を伴っていますから、貸出の総量より返済の総量が必ず多くなります。経済成長を続けていないと、全部は返せなくなるのです。また、銀行貸し出しマネーは、生産活動だけではなく、株や不動産を買うためにも生まれています。株や不動産は、投資と投機の区別が難しいです。買うから値上がりし、値上がりするから買う。それで実体以上の値段がついては、暴落して大量の不良資産を生み出します。それがバブルです。
世界各国でバブルは起こっています。バブルはネズミ講のようなもので、必ずいつかははじけます。その影響があまりに大きいので、各国の政府と中央銀行は、次のバブルが起こるように誘導して、その場をしのいでいます。でも、これは問題を先送りしただけで、次にもっとひどい症状が待ちかまえています。
根本的な問題は、この銀行貸出マネーは、生産者側には必要に応じて供給されますが、消費者側には供給されないことです。消費者の側は、賃金からしかお金を得られません。もちろん消費者ローンはあります。でも、消費者はお金を貸してもらっても、お金を返すときは、消費を切り詰めて返すしかありません。そのため、消費者が使うお金が増えないので、生産者側の企業も売上げが伸びません。
日本のGDP(1年間の国内全体の儲けを合計したもの。企業利益と個人所得の合計)は、1990年代以降、ほぼ横ばいの500兆円前後ですが、その間にお金の量はどんどん増えて、500兆円から700兆円にもなっています。
このようにお金はじゃぶじゃぶとあります。でも、人々の収入は増えていないのです。
結局、銀行貸し出しマネーだけでは、人々の所得を増やせないのです。
消費者側への信用創造を!そこで、消費者側に信用創造することが考えられます。
ベーシック・インカムとしてお金を生まれさせるのです。
生産と消費は一体のもの。それに必要なお金を、生産者側から入れても、消費者側から入れても同じことです。それならば、消費者側に信用創造してしまってもいいではありませんか!これで、生産と消費のバランスがとれるようになります。
とはいえ、ここで問題があります。
消費者への信用創造は、貸し付けても返済される見通しがありません。消費者は、お金を使えばそれっきりです。それが消費というものです。ですから貸すのではなく、与えるしかありません。そうすると、出回っているお金がどんどん増えていきます。ベーシック・インカムは、毎年100兆円もの額になりますから、バブルになりそうです。今の世の中では、お金が余った人たちは、モノを買うより株や不動産に向かいますから、インフレよりバブルのほうが起こりやすいです。
でも、持続可能なサイクルを作ることはできます。
それが、減価マネー(E円)という新しい公共通貨の導入です。
これによって、ベーシック・インカムを実現できます。減価マネー(E円)は、ベーシック・インカムの財源となるだけではありません。お金の意味を根本的に変えるでしょう。減価マネー(E円)によって、お金を貯め込むことの価値が薄れ、拝金主義がなくなります。お金のためでなく生きたい人たちがたくさんいます。この人たちの力が社会に現れてきたら、素晴らしいことが起こります。お金にとどまらない豊かさが、社会に湧き出てきます。経済の目的は、豊かな生活を送ることそのものです。どうして経済の目的が、「お金を稼ぐ」にすり替わってしまったのか…。
お金を稼ぐことが、思いやりや優しさ以上に大切にされる世の中、経済的に自立できなければ一人前と見なされない世の中は、もうコリゴリではないでしょうか?
思いやりや優しさを育むためにこそ、お金はあるべきではないでしょうか…?
お金の本質について考えた大先輩に、日本では「モモ」の作者として知られるミヒャエル・エンデという人がいます。「モモ」は30カ国以上の言語に翻訳され、子供から大人まで世界中の人たちに愛され読み続けられている物語です。エンデはこんなことを言っています。
「たしかロシアのバイカル湖だったと思いますが、その湖畔の人々は紙幣がその地方に導入されるまではよい生活を送っていたというのです。日により漁の成果は異なるものの、魚を採り自宅や近所の人々の食卓に供していました。毎日売れるだけの量を採っていたのです。それが今日ではバイカル湖の、いわば最後の一匹まで採り尽くされてしまいました。どうしてそうなったかというと、ある日、紙幣が導入されたからです。それといっしょに銀行のローンもやってきて、漁師たちは、むろんローンでもっと大きな船を買い、さらに効果が高い漁法を採用しました。冷凍倉庫が建てられ、採った魚はもっと遠くまで運搬できるようになりました。そのために対岸の漁師たちも競って、さらに大きな船を買い、さらに効果が高い漁法を使い、魚を早く、たくさん採ることに努めたのです。ローンを利子つきで返すためだけでも、そうせざるをえませんでした。そのため、今日では湖に魚がいなくなりました。競争に勝つためには、相手より、より早く、より多く魚を採らなくてはなりません。しかし、湖は誰のものでもありませんから、魚が一匹もいなくなっても、誰も責任を感じません」(『エンデの遺言』NHK出版)
そして、エンデは「人々はお金を変えられないと考えていますが、そうではありません。お金は変えられます。人間がつくったのですから」と訴え続けたのでした。
減価マネーってナ〜ニ? 減価マネーは、ベーシック・インカムを確実に実現させるために欠かせない、まったく新しいお金です。 これまでのお金は、富を作るためのお金(生産本位制マネー)です。減価マネーは、暮らしを支えるためのお金(生活本位制マネー)です。 減価マネーは、使わないと少しずつ減る仕組みになっています。硬貨や紙幣ではなく、カード(電子式)を使用します。 減価マネーは、普通のお金と共存します。しかし、やがてこの減価マネーの金融が発達して事業資金にも使われるようになると、「マイナス利子の世界」が出現して、現在の経済に根本的な変化を起こします。 マイナス利子の世界とは? 減価マネーは、事業資金としても貸し借りが行われ、そのときに発生する金利はマイナスです。貸し手が、E円の目減りが小さくなることで満足するためです。 マイナス金利の事業資金を享受できるのは、活発な生産活動を行っているところだけです。借りたお金をすぐに支払いに使えば、減価は無視できるからです。返済は時々の売上げからします。 減価マネーとマイナス利子が普及しますと、経済行動の常識が逆転します。現在のお金ですと支払いはできるだけ遅くしようとしますが、減価マネーですと、早く払いたがります。プラス利子だと貸して得になりますが、マイナス利子ですと借りて得になります。これまで、お金は利子が利子を生んで殖えるものであり、誰もがもっとお金を蓄えようとしてきました。そのため「金融業が栄える」社会ができていました。マイナス利子の世界ができますと、経済は、もっと生産と生活を中心とするようになってきます。
減価マネー(E円)を納税通貨に!新しいお金を作ろうとするとき、それを受け取った人の立場を考えなければなりません。そのお金を受け取ったお店にとって、使い道があるかどうかなんです。もし使い道がないならば、お客がE円で払おうとしても、お店としては「普通のお金で払ってください」と言います。そうなったら、もうE円は流通しないお金になってしまいます。
どうすれば、E円を受け取った側が、そのお金をもらっても不自由しないでしょうか?
必要なことは、E円をそのまま納税に使える通貨として認めることです。
E円は国が作る公共通貨です。その通貨を国が税金として受け取らなくて、「税金は日銀券で払ってくださいね」などと言ったら、そんな通貨は誰も信用しなくなってしまいます。だから国は、普通の円とE円を分け隔てなく、税金として受け取ります。地方税にも使えます。
そうすれば、どこのお店も会社も、E円を受け取ります。税金に使えるなら、誰でも必ず使い道があるからです。そうすると面白いことが起こります。E円は月に1%ずつ目減りするお金です。商売をしている人たちにとって、月に1%は死活問題です。E円を受け取ったら、さっさと手放してしまおうとします。税金の支払いに使えるなら、E円をつまみ出して、払ってしまいます。それでもまだE円があるなら、先の税金まで払おうとします。持っているよりはましですから。つまり、税金の先払いが流行るようになるでしょう。納税者が「来年のぶんまで払わせろ」と言うと、税務署が「ダメです。今年のぶんしか受け取れません」と押し問答するようになるかもしれません(笑)。
なぜ減価させるのか?我々はお金を貯めたがります。すべてのモノは、腐ったり、すり減ったり、壊れたりしますが、お金にしておけばいつでも欲しいモノと交換できるからです。お金が貯まっていると、とても安心できます。
すると、どうしても貯めるのが上手な人と下手な人がいます。上手な人はたくさんお金を集めて、使わずに貯め込みます。そうすると、お金が循環しなくなります。トランプでチップを全部集めてしまう人ができると、ゲームが続行不能になるようなものです。生活に苦しむ人ができるし、経済活動も滞ります。
そこで、貯まったお金が活用されるように、利子という制度を作って、お金持ちがお金を貸すように仕向け、銀行がその仲立ちをします。これで、お金が死蔵されることはなくなります。そうするとお金を持っている人は、何もしなくてもお金を殖やすことができますが、お金のない人は利子ぶんをたくさん払わなければなりません。貧富の差がどんどん大きくなり、やがて、ドカーンとすべてをご破算にしてしまうような事態が起こるでしょう。
そこで、シルビオ・ゲゼルという経済学者は、減価するお金、しかも納税に使えるお金を考え出しました。彼は、あらゆるモノが老化するように、お金もまた老化しなければならないと考えた人です。お金だけ老化しないから、お金は神のように崇められ、人々は買った瞬間から価値が減ってしまうモノよりも、価値の減らないお金を好んで貯めこもうとするのだと…。だから、お金の価値が少し低くなるようにするのです。そうすると、お金は貯め込まれなくて、よく流れるようになります。ヴェルグルの町長さんは、そのゲゼルの理論を実行したのでした。
1932年のヴェルグルは深刻な不況のため、工場はどんどん閉鎖され、失業者は町にあふれかえっていました。そのため、まったく税金も納められない町は、破産へと一直線に向かっていたのです。
そんな進退極まった状況で、「労働証明書」といわれるスタンプ通貨が発行されました。この「労働証明書」は毎月1%ずつ老化していきます。だから、毎月1%ぶんのスタンプを買って「労働証明書」に貼らなければなりません。
その結果はどうだったのでしょうか・・・?
「労働証明書」が流通していた13.5ヵ月の間に流通していた量は平均5490シリング相当に過ぎず、住民一人あたりでは、1.3シリング相当に過ぎません。しかしながら、この「労働証明書」は週平均8回も所有者を変えており、13.5ヵ月の間に平均464回循環し、254万7360シリングに相当する経済活動がおこなわれました。これは通常のオーストリア・シリングに比べて、およそ14倍の流通速度です。回転することで、お金は何倍もの経済効果を生み出すのです。こうしてヴェルグルはオーストリア初の完全雇用を達成した町になりました。「労働証明書」は公務員の給与や銀行の支払いにも使われ、町中が整備され、上下水道も完備され、ほとんどの家が修繕され、町を取り巻く森も植樹され、税金もすみやかに支払われたのです(日本人が知らない恐るべき真実 晋遊舎)
しかし、オーストリアの中央銀行から、国の通貨システムを乱すという理由で禁止通達を出され、裁判をして闘ったものの敗れてしまい、翌年、廃止させられました。そして、完全雇用だった町も、再び30%近い失業率になってしまったのです。
減価するお金は、お金を貯め込む人たちから、お金を徴収するのと同じ働きがあります。人々はお金を貯めるより、お金を使おうとします。お金は滞らずに循環するようになります。しかし、お金が目減りするだけだったら、みんなが貧乏になります。お金が湧き出しているところが必要です。
すべての個人ごとに、必要な生活費としてお金を湧き出させることが、お金のもっともよい湧き出しどころだと思います。どんな文明であろうが、人々の生活維持が経済活動の根幹なのです。生活費は、労働と生産を生み出すために使われ、次の人へと循環していきます。
結局、あらゆるモノの中で、お金だけがずば抜けて高い価値を持っています。そのため、経済活動の中で、お金の獲得を自己目的とすることが広がっています。お金があちこちに吸い取られて流れなくなり、必要なものが必要な人のところに届かなくなるのです。
でも、お金は血液のようなものです。流れていることに価値があります。生活する人と、生産する人の間を行き来しているときに、本来の役割を果たします。
お金が、お米と同じように価値が減っていくものだったら、どうなるでしょうか…。お金が減価することに、奇異な感じを持たれるかもしれません。
しかし、考えてみれば、すべてのものは自然に価値を減らしていくのです。
食料品はじきに食べられないものになります。衣服は、着ているうちに汚れ、すりきれてしまいます。電気製品も、家具も、住宅も、劣化していきます。
価値不滅のお金より、減価マネーのほうが自然です。
減価マネーが使われるようになると、お金だけずば抜けて、高い価値を持つわけではなくなります。お金は、本来の、交換の仲立ちという役割に戻っていくでしょう。
ベーシック・インカムと目減りするお金の組み合わせは、いつも流れている川を作り、そこから誰でも水をくめるようにするようなものです。誰でもが安心できる社会を作れます。しかし、目減りしないお金も存在していないと、今の経済はうまくいきません。普通の円とE円が共存していくのがいいと思います。
*古山明男さんの減価マネー(E円)の詳細は、無料メールマガジン「お金について考えてみる(全8回の配信予定)」で説明します。
プロフィール減価マネー(E円)提唱者 古山明男
公共経済・教育研究者
1949年千葉市に生まれる。1973年京都大学理学部卒業。私塾運営や専門学校講師をしながら不登校や引きこもりの人たちを援助。1990年以降、「古山教育研究所」を設立し、賞罰に訴えない教育を研究・開発。公共経済としての教育費を研究すると同時に、「生活と経済の関係」の探求を進め、2009年青山学院大学で「ベーシックインカムのある社会」講演(「ベーシックインカムの実現を探る会」主催)。著書に「変えよう!日本の学校システム」(平凡社)。「ベーシック・インカムのある暮らし」(ライフサポート社)この2冊は、必読図書です。
「ベーシック・インカム実現プロジェクト」コーディネーター 奥原啓成
成蹊大学法学部政治学科卒業。一度は政治の道を志すも、弱い立場の人たちの意見が無視されやすい政治のあり方に疑問を抱くようになり、政治家となることを断念する。その後、会社員、会社経営を通じて、そのような政治のあり方とお金のあり方には密接な関係があることに気づく。また、武道をたしなむ中で、合気道の心とベーシック・インカムの心は同じであることを学んだ。一人一人の人間は誰かの支えなしでは生きられない弱い存在であり、その弱さを受け入れることから思いやり社会は始まるとの考えを信念に、誰もがお金に悩まされることなく安心して暮らせる新しいお金のあり方を提唱。思いやりで天下統一をモットーに、「ベーシック・インカム実現プロジェクト」を推進中。
減価マネー(E円)のアイデアを知ったとき、衝撃を受けると同時に、これでベーシック・インカムは実現できると思い、とても嬉しくなりました。そこで、一人でも多くの人に、減価マネー(E円)のことや、ベーシック・インカムのことを知ってほしいと思い、このホームページを立ち上げました。
「一人で見る夢はただの夢。でも、みんなで見る夢は現実となる」という言葉がありますが、ベーシック・インカムも、みんなでその夢を一緒に見ることができたとき、実現するのだと思っています。だから、もしホームページを読んで共感してもらえたら、このホームページのことを、みんなに伝えてほしいのです。
「アメイジング・グレイス」という映画があります。奴隷制廃止運動が成功するまでの物語ですが、様々な人々がかかわり、国中にメッセージが伝わるための、いろんな工夫がなされました。ポスターや投票ガイドなど、みんなが読めるようなものを出し、ワーズワースなどによる奴隷制度に反対する詩が使われました。国民の半数が文字を読めなかったので、各地で遊説がなされました。奴隷によって生産される砂糖やラム酒のボイコット運動は、戸別訪問によって広げられました。漫画や絵も使われ、ターナーやウィリアム・ブレイクも絵を提供しました。陶器王のウェッジウッドは、スローガンを入れた陶器製のカメオ500個をつくり、支持する女性たちはこれを着用したといいます。党派やグループにとらわれることなく、影響力のある政治家、裕福な商人や実業家、ジャーナリスト、宗教家の支持を得ようとしました。
その結果、国中にメッセージが伝わり、奴隷制廃止という夢を、みんなで一緒に見ることができたから、奴隷制廃止は現実となったのだと思います。
やはり、みんなで見る夢は現実となるのです。
でも、ベーシック・インカム実現プロジェクトは始まったばかり。足りないものだらけ、まったくゼロの状態です。ベーシック・インカム実現の夢を日本中に広めるための、アイデア、協力、etc…、どんどん募集します。
また、「ベーシック・インカム実現プロジェクト」のHPアドレスなどを記載した、名刺サイズの「口コミカード」を作ってみました。ぜひ、この「口コミカード」を名刺入れや財布にいつも携帯して頂いて、一人でも多くの人に伝えてもらえたらと思います。一人一人の力は小さなものだけれど、そんな一人一人の小さなアクションが集まれば、私たちは、歴史を変える奇跡的な力を発揮することができると確信しています。