2015年10月17日
悪習慣をあらためるために学ぶことは、これからは特にたくさんありますが、時は今(身体を得てこの世にいる僅かなとき)しかありません。
眠るという習慣を遠ざけ、学ぶために眠らないようにする、いわゆる不眠を無理なく実践することが悪習慣の根を絶つための極意です。
眠気の正体は一般俗的であり、賊(五賊)にその因があります。
※ 五賊:喜・怒・哀・楽・慾を言います。五賊は五徳(仁・義・礼・智・信)を制して屈服させる因となります。
眠気をもよおす因には、腹を満たすことが第一にあり、体を暖めることが第二、五賊を戒めるために足を暖めることは必ず避けるべきです。
常に心を正位に置き、回光返照するのは、不眠を目的とするためです。
※修道は必ず回光返照しなければなりません。外に向かっていた思いの向きを内に回すことを回
光返照といいます。内の自分の心地を照らしながら外の劫難因縁を照らすと自ら大慚愧の心を
生じます。
妄想や妄念を生ずると、おのずと姿勢が悪くなります。
ただちに転念して、もし臥せても心身の正位は変わらないようにします。
すなわち諸作(何かをする)を為す場合に一瞬とも投げやりにしないことです。
物を投げ捨てたり、事を急ぎ済ませたりせず、ゆっくりした動作をするようにします。
もし、邪念が混じり心に焦りがあるのは、すでに正気に欠けています。
多言、妄言、虚言に(常に)意識があるのは、すべての元凶で誤りはさらに極大になります。
悪習慣を改めるため、身を修めたいと言いながらこのようであれば、恥を知らない大恥です。
小さいことから大きく崩れ、小と思うものは実に大きいものです。
眠るのは、意を失います。
不眠は浩然の気を養う根源にして、そのように無意、無念、無想にして天人合一の機会を得ることができます。
※ 浩然の気~眠ることによって失う「意」は、意識のことで日常茶飯のことですが、眠らない状態で正位を整えて、意も無く、念も無く、想も無い境地、その超脱した境地が得られる、段階的な気で、元気(3次元)・精気(4~5次元)・神気(7次元以上)の最上の神気をいいます。
Deshi A :年をとると自身の制御が利かなくなり、それまでの悪習慣によって、多言、妄言、虚言が目だってきます。目で物を見るエネルギーも遠くを見れば、それだけ遠くまでエネルギー(気)が放出されます。内気がすかすかになれば、気力・体力が落ち万病の原因になります。何よりも調和を欠き周囲との混乱を引き起こします。座禅や瞑想で色々な体験をするのも正・邪があります。すべての悪習慣の種は、賊にあり、食魔や睡魔との根本的戦いが常にあります。
おばあちゃんが、日向ぼっこしながら手仕事をしている光景は、言いようのない温もりを感じますが、気を充実させる智恵というのはこんなところに発揮されているのかもしれません。