地球のいとこ星が見つかったことを知っていますか?
地球にそっくりな星があるそうです。それは太陽系から500光年くらい離れた白鳥座の方向にあります。
この「地球のいとこ星」ですが、「ケプラー186 f」といいます。
それは最近発見されて、2014年4月に公表されました。大きさは地球の1・1倍くらいです。この星が周回している太陽は、私たちの太陽よりも小さくて、1年の長さが130日ほどしかないので、この惑星では、私たちは今よりも早く歳を取る計算になります。この惑星にはどうやら海があるようで、ほかにもいろいろなものが発見されており、生命のいる可能性があるということで、今、注目されています。
実はそういう星はいくつかあります。
もう亡くなられましたが、国立天文台野辺山の電波天文学が専門の森本雅樹先生は、SETI(地球外知的生命体探査)の研究を立ち上げていました。私たちの銀河系の星は何個あるか知っていますか? 本当のことを言えば、それは数え切れないほどあるのです。それはたとえば1立方メートルの升(ます)にいっぱい入れた砂の数の状態で、つまり数え切れないほど多いということです。
ではそこに地球のような生命が存在できる星はどのくらいあるかというと、10センチ四方の升にいっぱい入れた砂粒の数くらいあると考えられています。それも私たちの銀河系の中だけでですよ。数えたら相当な数ですよ。数えてみてください。そうすれば地球のような星が、どのくらいあるかというのがよくわかると思います。
私は望遠鏡を通して、星の世界をいろいろ見ています。
私たちの太陽系にあるすべての始まりは何かというと、それは宇宙空間に散らばっている「星間ガス」です。一番簡単な構造の元素である水素が、空間でお互いに寄り添ってくる。それは回転していると物を引き付ける力があるので、非常に長い年月をかけてゆっくりと寄り集まってくる。その集まり方は洗濯の時の泡の塊のようで、あの泡が五角形のような感じでいっぱいくっついているのに似ています。その泡の交わっているところに集まるのです。
そして、その集まってきたものが爆発し、核融合が起きてまた新しい素材ができる。
またそれが凝縮して、それがまたあるとき爆発してというように、ガスが宇宙空間いっぱいに広がっていくのです。今の私たちの銀河系を見ても、天の川沿いにそういうガスがあります。それを写真に撮ると、赤い色があったりしてとてもきれいです。普通は白黒の状態で見るのですが、あるていど大きい望遠鏡、たとえば私が持っている15センチくらいの口径の双眼鏡で見ると色が見えます。(略)
地球も太陽ができるときに生まれました。
最近新聞にも載りましたが、水星よりも内側に、まだ惑星とは言えないけれど何か回転しているものが発見されています。ということはまだまだ収縮していく。ある程度まで収縮しきってしまうと、今度は逆に自重で爆発して広がっていく。これが太陽の終わりです。太陽の終わりは、そこに至るまでにおそらく50億年くらいかかるので、私たちが生きている間は関係ありません。(略)
こうして見てくると、太陽の熱エネルギーが、太陽系のすべてのエネルギーになっていることがわかります。今、原子力などのいろいろな方法を模索していますが、すべてのエネルギーは太陽にあるということです。つまり太陽を越えるエネルギーは、太陽系の中にはありません。これは承知しておくべきことです。
私たちは「地球を選んで生まれて来ている」
宇宙にはもの凄く多くの星が存在します。
今、光っていて我々の目に見えている星は、自分で光っているということで、それは自分で核融合を起こしているわけですから、全部太陽です。そしてその周りには、私たちの地球と同じように、太陽の光を反射している惑星が山ほどあります。私たちの地球の大きさはどのくらいかを太陽と比較してみると、太陽の見かけの大きさは5円玉の穴に収まる程度です。
それは太陽がかなり遠くにあるということなので、太陽を14センチのボールにたとえてみましょう。すると地球の直径は1・3ミリで、月は0・36ミリです。太陽と地球は15メートル離れている。この縮尺で隣の太陽までどのくらい離れているかというと、3400キロメートル離れています。
今のような地球環境汚染が言われる大変な時代になると、「宇宙人が助けに来てくれる」という人がいますが、14センチの太陽の周りを回っている1・3ミリの地球の環境がどうのこうので、3400キロメートル彼方から誰かが助けに来てくれるでしょうか? そんなことはあり得ません。
地球の環境を壊したのは私たち人間です。
その私たちが反省することなく、「宇宙人が助けに来てくれる」などと人頼みのことを言う。結局、そこに問題があります。地球で生きる私たちがその環境をどうするのか、ということが肝心なのです。宇宙人は間違いなくいます。私たちだって宇宙人ですからね。
地球環境がおかしくなっている中で、火星に移住するという人たちがいます。
そういう人たちは行ったらいいし、そういう人たちがいなくなると何かせいせいします。NASAにいる人たちが「火星に行くんです」という。どうやって行き、どのくらい日にちがかかるかと聞くと、「半年くらいかかる」という。行くまでの半年間も、向こうに着いてからの環境も、地球と同じ環境を宇宙船の中につくって持っていかなければならないわけです。そのメカニズムや理屈がわかっているのなら、地球の環境を取り戻すほうが先じゃないかと思うのです。
火星に移住したい人はすればいいし、向こうへ行けば引力が弱いので、1年ぐらいいると骨がだんだん細くなってきて、太い骨が親指くらいの骨になる。そして地球に帰ってきて、地球の引力圏内に降りた瞬間どうなるかというと、それで終わりです。だから行ったら帰って来ないほうがいいのです。
なぜなら私たちの肉体はすべて、地球という環境のなかで誕生して出来上がっているものです。つまり宇宙に行けるからどうのこうのとか、いろんな装置を着けるからどうこうという問題ではありません。私たちは地球に来て誕生し、この環境で生きていくということを定義づけられているわけです。その中で、私たちはこの体に生きることを選択した。
だが地球が大変なこの時代において、「宇宙人が助けに来てくれる」という人や、さらに地球から逃げ出すことを考えている人たちがいる。火星に行けるのは大金持ちや政治家や、特権階級とか、選ばれたすばらしい人たちだけだとも言われています。そういう人達は、火星に行った方がいいと思う。
それに、宇宙船に地球と同じ環境は持ち込めないと言っていたので、火星に着くころには二酸化炭素が増えて、みんな呼吸困難になって亡くなっているかもしれない。地球の環境を壊してきたのは、おもにこうした「選ばれし者たち」なので、彼らがさっさと火星に行ってくれたら、地球はせいせいすると思います。地球を破壊するだけ破壊し尽した人々は、さっさと火星に行きなさいと言いたいです。
これがあの世飛行士の真骨頂!
『臨死体験で見た<>』 木内鶴彦著 ヒカルランド