自分を中心にすえて、本当の自分を知り、自分の人生を第一に考えることが重要です。
それと同時に、自分が他人にどのような影響を与えているかについて知っていることも重要です。なぜなら、自分の行動が他人にどんな影響を及ぼすのかを理解したうえで、自分が望む行動をとる時は、あなたはもっと力強くなれるからです。
ですが自分が望むように行動をとると、利己的になってしまうのではないかと心配する人もいます。しかし、自分の高い志(こころざし)の道と、自分自身を尊重するときはいつでも、そのときにはそうは見えなくても、結局は他人の高い道と彼ら自身をも尊重することになるのです。逆に、自己主張するべきでない時、つまり、エゴの欲するままに動かずに、流れに逆らわずに進む時を知ることも大切です。
それについて私が示すことができる最良の基準は、レストランでどのテーブルにすわるかとか、どの映画を見に行くかとか、そういった重要でないことを決める時には自己主張しないことです。そういうささいなことは放っておきましょう。しかし、自分の高いヴィジョンに従ったり、人類全体に貢献するようなことをする時には、自己主張をするべきです。
しかし、あなたの感じている罪悪感や抑圧から、あるいは「そうしなければいけない」という観念から、自分が必要としていることを抑えるなら、それは適切な態度とは言えません。たいていの人々が、自分の人生に夢中になっています。あなたは「もし自分のやっていることを打ち明けたらあの人はどう思うだろう?」などと考えて、自分が他人に与える印象をあまりにも心配するので、限られた視点でしか自分を見ないことが多いのです。ですが自分を新しい光の中で見るためには、自分の限界を超えて視点を変える必要があり、そのための方法がたくさんあります。
自分を舞台に立たせて観察し、見て評価しているのは他人ではなく、自分
一つは他人の立場になってみることです。
彼らを、あなたの判断や感じ方に従って見るのではなく、彼らの感じ方や見方に立って見ようとすることです。多くの人々が自分は舞台の俳優で、「みんなが自分を見て、評価している」といつも感じています。しかし実際には、あなたを舞台に立たせて、見て、観察して、評価しているのは他人ではなく、あなただけなのです。
しかしこういうとき、あなたは他人についても責任を感じようとします。
つまり他人が気分を害したのは、もしかして自分がした行動や言ったことのせいではないか?、それは自分のせいではないか? と思うのです。
他人の幸せに責任を感じる必要はありません。
それを選べるのはその人だけであり、あなたが選んであげることはできないからです。自分の人生の中心舞台に余りにも存在し過ぎること、つまり、自分をあまりにも意識し過ぎると、他人を助けるためにできることよりも、他人が自分のことをどう思うかを気にしているために、他人の現実を感じることができなくなります。
宇宙は、あなたが扱える以上のエネルギーを経験させることはしません。
つまり、自分が感じたエネルギーを、自分と他人を癒すように扱えるようになればなるほど、ますます自分の周りに存在するエネルギーを感じ、理解することができるようになります。
裁くことを手放すと、他人のエネルギーに影響されなくなる
「どうすれば、他人からもっと好かれて愛され、認められるようになり、自分の望むものを手に入れられるだろう?」、などと悩んでいるうちは、明らかなエネルギーを感じることはできません。ですが反対に、周りに与えているならば、他人と他人の抱える現実を理解する能力を開花させることができます。そして何よりも確実なことは、自分自身に対して、愛に満ちた高い視点から自分を評価することができるようになることです。
愛することや援助すること、感謝や癒し、良い評価など、自分がして欲しいことを、人々にもしてあげてください。そうすれば、あなたもそれを受け取るようになります。他人を許し、助け、認め、そして誉めてあげるとき、自動的に自分にも同じことをし始めます。他人を許すことは、世界に対してすばらしい贈り物をしているだけではなく、自分自身に対しても贈り物をしているのです。
他人を裁くと、自分自身の影の部分のエネルギーを感じ取り、その裁いた否定的エネルギーを自分自身に取り込んでしまいます。つまり、エネルギーをはっきりと感じることとは、善悪の判断を手放すということなのです。思い切って、他人や自分を批判する善悪の思考の枠組みを手放してください。
それはたとえば、好きになれない他人の性質や行動や特徴を観察するとき、それがいかにその人の人生にとって、その人にふさわしいものであるかがわかるようになります。その特徴がどのようにその人に役に立っているのか、またその性質がその人のためにどんなことをしているのかを観察してください。
裁くことを手放せば、他人のエネルギーに影響されなくなります。
光の存在オリンの「パーソナル・パワー」サネヤ・ロウマン著
マホロバ アート
抜粋