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・地球上のあらゆる生命と人間は同等の権利を有している ①

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    地球は、宇宙の中で私たちの星のすぐ後にできた、生物の住める惑星であり、言わば私たちの弟の星に当たります。ですがあなた方地球人が間違った道を辿っていることから、自らを含め、地球と地球上の動物や植物を大変不幸な境遇に追いやっています。私たちは、私たちの弟である星が、あなた方地球人の手によってどんどん破壊されていくのを黙って見ていることができません。

   私たちはこれまでの長い間、ずっと地球を観察してきており、地球人の思考力や洞察力の乏しさと現状認識の甘さ、それに横暴ともいえる自己中心的な行為にほとほと呆れ果てています。特に、地球人が「地球は俺のものだ」と言わんばかりに、地球や地球上の動物や植物に対してやりたい放題の悪事を繰り返しているのを見ると、憤りさえ感じるのです。

   言うまでもなく、地球はあなた方人間だけのものではありません。
   地球上に生を受けた動物植物のすべては、犬でも猫でもねずみでも、ハエでも蚊、ゴキブリでも、松や竹、ススキなど、どんな草花であっても、あなた方地球人とまったく同等に地球上に生きる権利を有しているのです。

   ですがあなた方地球人は、そんな単純な道理すら理解することができず、自分たちの害になるものは容赦なく抹殺し、欲しいものだけ掻き集めて、何でもかんでも自分たちの思い通りにしようとしています。その結果、地球上の多くの動物や植物が絶滅しており、数のバランスを崩したりしていることから、地球上の大自然のメカニズムは今やすっかり狂ってしまいました。

   地球は今、まさに瀕死の状態に追い込まれているのです。
   しかしあなた方地球人はこの事態を、ほとんど真剣に受け止めてはいません。ということは、あなた方地球人が地球の将来について、明確なビジョンを持っていないという事です。こんなことを続けていたら、地球や地球上の動物植物は一体どうなってしまうかという、100年先、1000年先を見通して、今何を為さねばならないのかという判断・洞察が、あなた方には全くできていないのです。そうして、ただ目先の利益だけを求めて右往左往しています。もしこのままいくならば、私たちの弟の星は自然環境が完全に破壊されて、いずれ生物の住めない星になるでしょう。

   ちょっと立ち止まり、あなた方人類が歩んできた道を振り返るならば、間違った道を突き進んで走れば走るほど、実際に不幸が増してきていることがわかるはずですが、あなた方は誰も振り返ろうとしません。いいえ、実際には振り返ってみても、すでに物事の本質を見抜く力を失っているあなた方地球人には、どこが誤っているのか判らないと思います。ですから小手先の小さな改善はできても、根本的な改革はできないでしょう。

ソクラテス、プラトンは地球に遣わされたメッセンジャーだった

   それで私たちは、地球の人々が自分たちの力で正しい生き方、進み方を創造することができないのであれば、あなた方地球人にモデルを見せる必要があると思いました。つまり、あなた方とは全く違った星に住む、私たちの物の考え方や生活の仕方をモデルとして提示し、『本当の生き方とはどういう生き方のことなのか』、『生きる幸せとは何なのか』、あるいは『地球とは何なのか』、『人類は今、地球のために何をしなければならないのか』ということに立ち戻り、考え直してもらいたいと思いました。

   もちろん私たちは今までも、ただ腕をこまぬいて地球を眺めていたわけではありません。実際に私たちの星の何人かが、地球に降り立って警鐘を鳴らしたこともありました。でもその時は、理論的に説得しようとしたために、ほんの一部の知識人の共感は得ることができましたが、私たちのメッセンジャーは変人扱いされるだけで、地球を改革することができませんでした。

   私たちの主張をあなた方地球人に伝えてくれた著名な人は、”ソクラテス”と”プラトン”です。しかしソクラテスが死刑になったので、その弟子プラトンにソクラテスの果たせなかった代弁者になってもらいました。プラトンは『ポリティア(国家)』という本を書き、その中で民主主義の政治について次のように語っています。

   『政治家が一般大衆の選挙によって選ばれるようになると、真に国のためを思う政治家よりも、大衆の機嫌を取り、人々にへつらい、国民の味方だと告白するような政治家が多く選ばれるようになる。そうした政治家は大衆の怒りを買うのを恐れ、大衆に逆らわないように振る舞う。それがわかると大衆はそうした政治家をバカにし、政治に期待しなくなる。

   (略)・・・先生は生徒を怖れて機嫌を取るようになり、その結果、生徒は先生を軽蔑するようになる。若者と年配者の関係もこれと同じであり、若者は年配者と肩を並べてとにかく衝突するようになると、年配者は若者に追従(ついしょう)して物分りの良い大人を装うようになる。彼らは意地が悪いとか、威張っていると思われるのがいやなので青年の風を真似るのだ。そうした風潮は、自分たちを拘束するすべてのものを排除する方向へと流れ、法律さえも無視するようになる。』

   これは、今から2400年前も前に行なわれた、私たちの星からの警告だったのです。
   そして地球はまさに、この通りの状態になっています。プラトンはこうした政治を『衆愚(しゅうぐ)政治』と呼びましたが、それは民主政治というものは一つ間違えばこうした衆愚政治になるということを言ったのです。

   そうならないためにプラトンは、これを救う道は『立憲君主制』だと説きました。すなわち、真に真実を愛し、売名を蔑視して、我欲がなく、正義をもっとも大切なものと考える人物が国を治めることで、人類が救われると書いたのです。

   しかしこの考えは、地球人には受け入れられませんでした。
   いくつかの国では王制ができましたが、王となった人が必ずしもそうした素質を満たしていなかったことと、立憲君主制を取らなかったために、こうした王制が封建的・専制的との批判を国民から受けることになり、民衆の支持を得るには至らなかったのです。

      今の民主主義国家の政治制度は、プラトンが述べたように人類を滅亡させる制度です。
   そして民主主義の基本とされている多数決にも問題があります。


                         『小さな宇宙人』 原田正彦著 Gakken

                                               抜粋


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