個と全体の一体化
過去人類は、感情や思想など相対世界の領域にあって「複雑化」を選択し、所属している固体(家族、組織、団体)によって個人の人生の選択が制限されてきました。
二十世紀は、科学や医療など物質的社会の進歩発展がめざましく、巨大なマスコミュニケーションは、科学・思想・政治・経済などあらゆる分野の「複雑化」「分散化」を助長しました。
同時に全体的に物事を見据え、異なる団体・思想などがコラボし新たな分野を生み出し、価値観の変化が起きてきました。
「局部的で断片的に思考する組織社会」から「全体の一部として自己の存在を認識する社会」へと、実践的な構造改革が進行しました。
インターネットに象徴されるように、個人の思考レベルが瞬時に全地球的意識となり、いつでも、どこでも、誰とでも直接情報交換がなされ、意識が国境を超え、固体を離れ、人と人とがグローバルかつ有機的に結合して「個と全体の一体化」という人類が始めて経験する時代になったのです。
生命の尊厳
二十世紀の国際社会は、「貧困と無知」の問題をテーマとしてきました。
「救済する者と救済される者」「富と貧困」の考えは、経済先進国と後進国を囲って、格差社会を形成し弱者を強者が救済するという概念を定着させました。
1994年のUNDP人間開発報告書は、経済の安全保障(貧困からの自由)、食糧の安全保障(飢餓からの自由)、健康の安全保障(病気からの自由)、環境の安全保障(例、清潔な水と空気の確保)、個人の安全保障(暴力、犯罪、薬物の恐怖からの自由)、地域社会の安全保障(家族生活、それぞれの民族集団に参加する自由)そして政治の安全保障(基本的人権を享受する自由)の七カ条を定めました。
貧しい者も富める者も、国際紛争・環境問題・エネルギー問題、全ての人の安全保障は長い間脅かされていることを知り、これらの問題から、我々自身の「生命の尊厳」について踏み込まなければならない事態であることを強く認識し、そのために地球人類一人一人の「心の問題」を国際的な課題として取り上げなければならない時期に至ったのです。
見ると、その心の満たされない「欠乏と恐怖」は「生命の尊厳」を脅し、負の連鎖を生んでいます。「欠乏」は、道徳や摂理の塞ぎによって欲望の葛藤が空しく循環し、廃頽的な精神欠乏を生み、物質的欲望を充足させることで表面を繕ってきました。
また、「恐怖]は、「経済の搾取や競争が堰きたてる抑圧から来る恐怖の連鎖」、「戦争や歴史が与える恐怖の連鎖」、「輪廻転生による因果からくる宿命的な生死をかけた恐怖の連鎖」、「怠惰な心の逃避が生み出す恐怖の連鎖」から生じました。
「Stop the War」、しかし戦争を終わらせることができない歴史環境の中で、たくさんの尊い犠牲と歴史的の反省とたゆまぬ努力のもとに、「人間中心」・「生活中心」そして「環境問題」という「原点回帰」の箱舟が浮上しまし、「生命の尊厳」が顕現することによって、国家の安全は保証され、市民による相互扶助の実践は、国家や国境、文化や慣習の障害にはなり得ず、人々の心が一つであり、世界は一つであるという潮流となりました。
創造と進化の源
経済や科学が発展し、国が富み人々が豊かになるよう誰もが望んできました。
その結果、国家や思想を超え、「人の生命」と「財産の保全」その根源である「生命の尊厳(Personal)」と「本来の受益(The Beneficiary)」 の意識が拡大してきました。
源は、一人一人が主宰し、その心が覚醒・進化して「生命の尊厳」が蘇り、生活を支える豊かさも搾取されることなく、「本来の受益(The Beneficiary)」は復元します。
人と人との「相互扶助」(Mutual Aid)は、誰もが自然に受け入れることができ、その波動は地球上のあらゆる営みを清浄化して原点に還すことができます。
20世紀までの社会システムの限界、今までのプラン・アイディアを放棄して、覚醒・進化が、いかに「生命の犠牲」を少なくするかを第一義として、新しいプロジェクトを発進させる時がきました。
嘗て人類が経験したことのない創造と進化の時代、人々が心を尽くしてその才能を思うままに発揮すること、妨げを超えてその能力を引き出すことが21世紀の地球社会創造の原動力になり、同時に「生命の犠牲」を少なくする機会になります。人々が才能を思うままに発揮する機会は、覚醒・進化のエネルギーとなります。
「自ら時代を妨げなければ安全は保証され、搾取しなければ与えることになり、奉仕すればするほど見返りの多くなる」新しい次元に進入しました。
スーパークリエイティブライフ
「生命の安全」と「財産の保全」のため、その根源である「生命の尊厳」への回帰をテーマに、古い慣習や社会の不合理を整理整頓し、心の原点に還って人と人との信頼の和を拡げます。
相互扶助は信頼を生み、相互扶助を啓発するため「教育、医療・福祉」を柱にモデルコミュニティのネットワークを構築してゆき、そこでは奉仕する者が癒され、心身の奇跡的な回復を遂げ、「人生の意義」を再認識して「人類の進化」を創造してゆきます。
豊かで質の高い地域コミュニティモデルを創造すれば、その波及効果は大きく、
人材や技術そして相互扶助という資本の有効活用によって、それぞれのプロジェクトが融和して市民による市民のための相互扶助とコミュニティを支える新経済システムが実現します。「奉仕すれば奉仕するほど見返りが多くなる社会」が、貨幣のない生活へ歪のない変化を促します。
経済の変化を安全と安心の基本に
生活の安心と安全を脅かす格差問題は、国家・民族・思想・宗教・教育などが織りなす機能障壁によって生じ、貧困と無知を是正するために大きな犠牲を払ってきました。いつの時代も、安全と安心は、医療と福祉の相互扶助環境を充実させることでした。
そして、人生の意義を深め、「道徳心の高揚」を積極的に推奨するにも、まず個々の生活の安心と安定が基本条件でしたが、国家や企業・団体など、所属する経済的環境は、豊かになればなるほど現実の境遇から脱皮できない状況を強いられてきました。
誰にとっても無理なく受け入れられる進化を実現するには、新たな安全と安心の創造をしなければなりません。それが「道徳心の高揚」と「奉仕すれば奉仕するほど見返りが多くなる社会」です。(具体的なプランは次回提起します)
世界経済の仕組みや歴史の真実を理解し、自ら望む地域社会を自ら進んで創造してゆく、その勇気と喜びが人類に希望を与えてゆきます。
虚空的スーパーコミュニティ
情報や経済のグローバル化に伴い、「文明の衝突」という一部の民族的、宗教的対立が激化している半面、民族や国家の枠にとらわれない地域的、文化的な活動が拡大してきました。
日本社会は、古来より多種多様な外来文化を受容しながら、権威や排他性をもたない「虚空的文化構造」によって、世界的文明の源流を内包してきました。この特性によって、過去の芸術や歴史の価値観を超えたスパーアカデミーの発信地となってゆきます。
21世紀に入って、どの国のどの都市も、地方に至るまで世界の国々の多種多様な人種が急速に入り混じり、人々の間にインターネットなどを通じマンツーマンによる異次元交流が静かに浸透しています。
情報のグローバル化は、Personalの生活や人生の目的等の価値観を共有することによって、世界の様々な慣習的文化や歴史が合理的にスリム化し、その規範が国際秩序や安全保障へ貢献します。
宇宙的スケールのFamily そしてPersonalの英知が拡大し、未知空間コミュニティがこの変化を受け入れ、そして発信し、全体が一つになるための「交差点(Cross Road)」の役割を果たしてゆきます。