あなたは一度に一つ以上の現実を体験することができます。
ですがあなたは、一つの現実を選択してそこに注意を集中することに慣れています。つまり起きているのはそれだけであると信じているのです。しかし過去、現在、未来は無数の可能性に満ちており、この数々の可能性は、あなたが現在体験している可能性と同じようにまったく活発で有効なのです。
あなたは単一で現実化する体験というものに慣じんでいます。
その意味は、通常のあなたは一つの直線的な現実だけしか認識していないということです。例えば今夜、あなたはあるテレビ番組を見ようと選択します。それはとても安心できることでしょうが、実はさまざまな多くのテレビ番組を一度に見ながら、それを同時に気づいていることが可能なのです。
これは多重の現実化として知られているものであり、つまり同時発生する出来事を一度に認識するというものです。初めのうちはとても違和感があるかもしれませんが、面白そうです。あなた方は数多くの生涯を転生して過ごすうちに、一度に一つの現実だけを現実化することに焦点を合わせて来たために、一つの直線的な体験しか処理できないはずだと、あなたのマインド(表面意識)は信じ込んでいるのです。しかし現実には、あなたは多くのことに対処することができます。
分析的なあなたの表面意識は、そんなことができるわけがないと思います。
同時に多重の夢を見るなどできるわけがない。本を読みながら同時に飲み会を計画するなんてできるわけがない。電車に乗りながら、同時に海岸を歩いて写真を撮るなんてあり得ないと思うのです。
そのためにはおそらく、あなたには必要な試練が待ち受けているでしょう。
なぜならあなたのアイデンティティですら、その必要はないのに単一の直線的な現実を基盤としているために、そのアイデンティティを失い、それを拠り所としてきた自分自身を捨てる必要があるからです。
あなたは同時に、多重の現実化を体験することができます。
それと遊んでみてください。想像してみてください。そうすれば、実はその方がより自然な存在状態であることが分かるでしょう。
円の中に「点」のあるシンボル(本書のP.156)は、「蛇の目」(circumpunct)としても知られています。中心の点は「源」であり、「すべてであったもの」、「永遠なる一」を表しています。これはまたあなたの魂、あるいは神性のシンボルでもあります。外側の円はあなたの魂の拡張、または旅を表しています。円の内側に含まれているのは、あなたのこれまでのすべての体験です。すなわちこれまでの過去の生涯や体験であり、この時点までに起きたことのすべてです。
またこの円はとても重要なものを表しています。
それは自分を守る「殻(から)」であり、あなたが守っているものは自分の魂であり、神性です。なぜならあなたは自分という魂、その「点」は、純粋で壊れやすいものだと思っているからです。ですから外からの影響や二元性の勢力のような、あらゆるもので汚したくないからです。
つまり神性の周りに殻を持っていれば、闇が入って来ることはできないという、誤った信念をあなたは持っているのです。しかし本当の問題は、あなたの闇も光もすでに”その中にある”ということです。本当の問題は、あなたが闇を締め出していることではありません。本当の問題は、あなたが闇を中に入れたままにしていることなのです。
そして神性を守ろうとするこの試みが、あなたの意識の拡張を制限してきたのです。しかしそれはごく簡単に改善することができます。深呼吸をし、大胆に、怖れることなく、ここ、つまり(円の外側)には何一つ心配したり怖れるべきものはないことを覚えておき、意識的に拡張を選択すればいいのです。
今ここにあるのは、あなたの未来の可能性の数々に過ぎません。
あなたには神性の意志と選択があるので、あなたの至高の善になるもの以外をあなたが選択することはありません。その選択があなたにとって至高の善になるのであれば、他人にとっても至高の善になると見なしてよいのです。
この円の外側にある可能性の数々は、あなたの想像を超えて膨大なものです。
信じられないかもしれませんが、あなたがその一つひとつをすべて創造したのです。そこには沸き立つような興奮もあれば、インスピレーションに溢れたもの、気が滅入るもの、悲しいものがあります。あるいは怖ろしいもの、楽しいものもあるでしょう。それはあなただけが、自分が体験したい可能性を選択できるのです。
あなたの可能性のフィールド(領域)を、他の誰かの可能性が干渉することはできません。ただし、あなたがそれを許容し、それを選択しない限りにおいて。同じく彼らがそれを許容しない限り、あなたも他人の領域に干渉することはできません。しかしいうまでもなく実際には、ほとんどの人間は無意識にそれを許容しています。
もしあなたが自らの主権性を選択し、固く掴んでいる大衆意識という集合意識を手放し、大衆意識の信念である「運命がある」という信念を解き放つならば、あなた独自の個人的な可能性の美しさを体験することができます。つまり円の外側の領域は、運命や宿命、前もって決められた道、あるいは外側の神が決めるルールなどは必要ありません。
すべて、あなたのものです。
それは実にシンプルです。なのに、なぜ人間はそれをそんなに複雑にするのでしょうか? おそらく、自分の人生を導いているのは外の力だという幻想を信じているか、あるいはコントロールされているという幻想が気に入っているからでしょう。もしかするとあなた方は、善と悪は一体でなければならないという可能性を体験したいのかもしれません。しかし私たちが共有する、今というこの安全で聖なる瞬間に、あなたはあなたが欲しいものを選ぶことができます。
マインド(表面意識)は箱です。
言い換えるならば、表面意識には制限があるということです。それは直線的であり、知っているふりをしてはいますが、マインド(表面意識)は想像することができません。つまり表面意識は、あなたの望む形を現実化することができないのです。
人間は自由意志を他人に引き渡してしまった
これまで数え切れないほど数多くの転生により生涯を過ごしてきたあなたは、選択と現実化のことをまったく忘れてしまいました。そしてあなたは自分を信頼することもやめました。選択しようとすれば表面意識から出なくてはならず、それはぎこちなくてうまくかないように感じられます。それに加えてあなたには、深い催眠の覆いがかけられているために、自動的にカルマや運命、宿命のようなものを選択してしまいます。
あなたには芯から怠け癖がついており、意識的に生きることをしません。
親愛なる友人たち、あなたには本来持つ神性というものがありますが、その自己責任というものを常に他の誰かに任せて満足してきました。そうでありながら、自分の人生の愚痴を言います。私は強調しますが、それはもはや本当のあなたの人生ではありません。「人間にはもうほとんど自由意志がない」と私が言うのは、それが理由です。あなた方はそれを他人に引き渡してしまったのです。
この概念に取り組むならば、あなたが選択するどのような可能性でも受け入れて現実化することは、とても簡単なことがわかるでしょう。それはすでにそこにあります。あなたはそれを表現し体験したいのかを、選ぶだけでいいのです。
アダマス・セント・ジャーメインからのメッセージ
『神性を生きる』 ジェフリー・ホップ、リンダ・ホップ著
ナチュラルスピリット
抜粋
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・人間は自らの「自由意志」を引き渡してしまった
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