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愛知ソニアさんの「女神イナンナが語るアヌ一族の物語」

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2014年10月11日

愛知ソニアさんが日本に伝えてくれたこの物語の最終部分をご紹介させていただきます。いま人々は歴史的遷移のさなかで、いろいろな事件や災害が起こっています。これから思いもかけない変化が始まるようですが、この物語が人類の真実を伝えているように思います。二ビル星のアヌ一族がルルという人類のハイブリッドに感情を移入しすぎため惨事を引き起こし、今の地球の現実を招きました。物語はついに宇宙連合によってアヌ一族の女神たちの罪が裁かれることになりました。そして2012年に地球に戻れることになった女神イナンヌは新たな使命をもってヤスミンさんという女性にウオークインします。

「直ちに出頭せよ!」
というメッセージがはっきりと彼女たちには聞こえた。シュルバクの神殿に集まっていた他の女神たちには、誰もこの声が聞こえず、巨大スキャナーさえ彼女たちは気づかなかった。

出頭せよという命令を受けた瞬間から、凄まじいスピードでスパイラルが回転する中にイナンナは巻き込まれ、タイムトラベルが始まっていた。強烈な衝撃で頭が割れそうになりながらも彼女は、次の瞬間には宇宙連合の母船「ウエストスター」に辿り着いていた。

 イナンナは、光体になって母船(ウエストスター)内部に現れると再び元の体に物質化した。ウエストスターは、銀河の西に位置する星というよりも、その名には関係なく、球形の巨大母船である。いわゆる異次元に存在する巨大UFOであった。ウエストスターでは、すべてが視覚の限界を超越していて、形や色を持たなかった。

イナンナは、ヒーリングチェンバーにエスコートされると、ウエストスターのユニフォームである新しいローブが与えられた。銀とブルーの液体光で覆われていているそのローブは、着用すると自らの周波数を高めることになり、母船内で必要な周波数を維持することができる波動調整衣だった。ウエストスターでは、そのユニフォームの種類によって、任務や地位が異なっている。

新しいローブに着替えたイナンナは、ウエストスターの中心部にあるアトリウム(大広間)に案内された。そこは壁も天井もなくただ透明なスペースだったが、イナンナは自身のセンサーを通してそのスペースを感じとることができた。アトリウムは、何百もの階層から成る、とてつもなく壮大な空間で、それぞれのスペースは、me(メ)のバブルのようなシールドで仕切られており、いろんな惑星からやってきた生き物たちが共同生活を営んでいた。

イナンナは、アトリウムの中央にある司令官のチェンバーへ案内された。そこは、例外がないかぎり、総司令官ソ・ラーラ、アシュター、ヴァイアーレス、トーリン、アラールといった最高位のコマンダーたちしか入ることが許されていない空間だった。

部屋に入った瞬間、イナンナは、ニンフルサグをはじめアヌ、エンリル、エンキ、ニヌルタ、ネルガル、ウツがそこにいるのを知って驚いた。全部で八名のニビル星人が、ソ・ラーラ総司令官の呼び出しを受けた、ということに彼女は気づいた。静まり返ったその空間で、ニビル星人8名が透明の円卓を囲み、ラ・ソーラが現れるのをただ待っていた。

(マルドゥクは、どうしてここにいないのだろう? 彼はスキャニングを免れたというわけか?)

各人が心の中で同じことを考えながら緊張の面持ちをしていた。不安を感じるイナンナにとってせめてもの慰めは、隣にアヌがいてくれることだった。

移動する星ウエストスター

宇宙連合は、宇宙の代表たちによって形成されている機関であり、今の地球における国連のようなものであるが、そのスケールとパワーは比較には及ばない。宇宙連合には、多くの銀河系や他次元からやってきた存在たちがいて、彼らは皆、クリエーターの下、ウエストスターで守られながら暮らしている。それらの多種多様のエンティティたちこそ、宇宙連合そのものであり、その代表を担う総司令官のソ・ラーラは、クリエーターの意図をそのまま受け継いでいるので、クリエーターの分身だといえよう。

ウエストスターのヒエラルキーでは、イナンナのようなプレアデス星系、あるいは、ニンフルサグのアークトゥルス星系のハイブリッドたちは、優秀な能力と進化した魂を受け継いでいることから、宇宙連合でも多くの特権が認められている。そして、彼らのようなハイブリッドたちによって、実にニビル星文明は支えられてきたのである。いずれは、ニンフルサグもイナンナも、宇宙連合のメンバーに加わるはずであるものの、突然の出頭命令によって彼女たちの運命がどうなるのか、それはクリエーターとソ・ラーラ以外誰も知る由はなかった。

いかなる宇宙の存在も、いずれは宇宙連合と関わることになるように最初から仕組まれている。それぞれが進化のプロセスに従い、宇宙連合に関わるようにプログラムされているのである。しかし、今回、ソ・ラーラに重く問われたのは、彼らネフェルの地球における行為だった。あの恐ろしい武器ガンディバを使用したことによって、彼らの運命は大きく変わってしまった。

「ニビル星人は地球に移り住んで、果たして進化したのか、それどころか、退化したのか?」

ソ・ラーラはこのことを、出頭命令を受けたネフェルたち全員に問い詰めた。

ウエストスターでは思考が即現実となるので、乗組員たちは皆、特に明晰さにこだわった。その明晰さが故に、ウエストスターのあらゆる目的が達成されるのである。さらには、上下の幅を含む周波数のスペクトルの質によってすべての秩序が保たれていた。それにしてもウエストスターは、地球と同じような有機的な機能を備えた星の如くメカニズムを備えた、ユニークな巨大宇宙船なのである。

乗組員たちは皆、さまざま異なる周波数の光を放つユニフォームを着ていて、同じユニフォームで周波数を共有する者たちは、集合体としてのグループマインドを保持していた。彼らはマインドパワーで光のスピードよりも速く、母船であるウエストスターを移動させることができる。その星の住民たちは、宇宙のあらゆる場所から集められたエリートたちであり、彼らは高い周波数を維持し続けた末、自然の成り行きでウエストスターに引き寄せられ、その星の住民となった者たちばかりである。

ウエストスターは、小惑星と変わらないほど巨大なマザーシップであり、住民たちが共有するマインドパワーによって移動し続けることができた。ウエストスターが、宇宙のバキュームというわれている、スターゲート(ワームホールやブラックホール)を通過する際には、住民一人のマインドフォーカスが少しでも狂うと、マザーシップはたちまちバラバラにされてしまうほど高度で精密な計算のもとに運航を可能にしている。よって、そんな失敗がないように、ウエストスターの乗組員たちは皆、宇宙中で最も進化した者たちだけが集まっていた。そして彼らは皆、宇宙連合総司令官ソ・ラーラの下で、クリエーターの意に従って巨大母船をナビゲートしている。

ライフパーパス

 宇宙連合総司令官ソ・ラーラは、シリウス系の宇宙人であることだけはたしかだが、それ以外のことは謎に包まれている。ソ・ラーラは、ニビル星人や地球人のように男女の性の領域を超越した存在で、それ以上に、どの次元の存在なのかも、ほとんど誰にも明かされていない。ソ・ラーラは、時空や性別といった概念さえ存在しない次元に所属するエンティティであり、ただたしかなこととしていえるのは、クリエーターの意図を直接受けて、宇宙の秩序を守るという任務を果たしていることだった。

宇宙連合には、ソ・ラーラ以外にもアシュター、ヴァイアーレス、トーリン、アラールといった最高位のコマンダーたちがいて、、この宇宙の秩序を守る役割が彼らにはあり、特にソ・ラーラは、プレアデス次元、ニビル次元、そして地球次元の三つの惑星を受け持つ最高位のコマンダーであることから、アヌンナキ(ネフェル)も含めて、三つの惑星のあらゆる生命体を見守っていた。

ソ・ラーラは、ニビル星から地球に降り立ったアヌ一族のことを、ウエストスターから常に観察していた。ソ・ラーラは、地球でアヌンナキのする一部始終をお見通しだった、というわけである。それは皮肉にも、アヌンナキらが“me”(メ)の中に閉じ込めた文明化したルルたちを観察していたのと同じだった。ソ・ラーラがとりわけ関心を抱いて、特によく観察していたのは、アヌでもエンリルでもエンキでもなく、ニンフルサグとイナンナのふたりだった。彼女たちのライフパーパスにソ・ラーラは注目していた。というのも、彼女たちは、広い宇宙の中でもきわめてユニークなハイブリッドだったからである。彼女たちの進化ぶりをソ・ラーラは常に観察してきた。彼女たちがちゃんと自らのライフパーパスを全うしているかどうかを、遠くから見守ってきたのである。

ライフパーパスとは、この宇宙に命を宿すすべてに与えられている、それぞれの生きる目標である。つまり、「天命」ともいうべきもので、その存在が生きている間に何を学び、達成すべきか、組み込まれている、いわば生命のコースプログラムなのである。しかしながら、実際には人間も含めてなかなかそのライフパーパス通りには進行しない現実がある。それにしても遅かれ早かれ誰もが、たとえこの一生で全うできなくても、次の生まれ変わりで全うするようになっている。これが進化のプログラムであり、そうして魂の故郷にいずれみんな帰っていくことになる。そして必ず誰もが、宇宙連合とその長い道のりのどこかで関わることになる。

「いずれニンフルサグは、アークトゥルス星人の素質を生かし、ホログラフィック・ヒーラーになるために、これからウエストスターで訓練を受けなければならない。将来彼女はコマンダーとしての地位を獲得し、さらには、多次元コンタクトに関する探究もスタートすることになるだろう」

というのが、ソ・ラーラが知っているニンフルサグのライフパーパスである。一方、イナンナのようなプレアデス星系の宇宙人は、その好奇心と探求心を活かして、異なる宇宙文明や各惑星の思考の融合を図るコミュニケーターとしての使命を担うようになる。これが彼女のライフパーパスであり、それがイナンナに対するソ・ラーラの期待でもあった。

宇宙連合のコマンダーたちは皆、多次元に散らばるあらゆる存在たちの意識をシフトさせたり、エネルギーを調整したりすることで、宇宙の秩序を保つことができる。このような宇宙連合ウエストスターの存在を、今となって地球人もそろそろ気づくべき時がやってきているのだろう。

ゾーム(壁)



私たちは、あなた方の祖先たちから神・女神と呼ばれ崇められてきました。私たちは、地球を我がもの顔にして争い合った醜い一族であることは確かですが、これもすべてルルたちへの愛がためでした。私たちは、ルルを愛しています。いや、愛しすぎたのです。でも私たちが原因で、すべてが無になりました。あなた方は、自分たちの祖先が奴隷として生まれ、あっけなくこの地上から消えていくという運命を嘆かれるかもしれませんが、私たちはただ遊び呆ける子どもたちのようでした。時間軸のことなど忘れて、モノポリゲームに夢中になってしまったのです。そして、その結果、ゾーム(壁)の中に封じ込められました。ゾーム(壁)の中に封じ込められる瞬間までは、宇宙連合がこれほどまでに私たちのことを重く受け止めているとは思いませんでした。

イナンナは語る

ニビル星の代表たちがウエストスターのアトリウムの待合室で待つ中、ついに宇宙連合総司令官ソ・ラーラが現れた。もともと物理的な姿を持たない存在だが、あえて黄金に輝くローブに身を包んで姿を現れた。

「我々の管理下にある地球において、このたび予想外の事件が起きました。そこで、あなた方がその責任者として、ここに呼び出されました。ネフェルの会議でガンディバを使用することに賛成したアヌの罪は、きわめて重いです。ガンディバを使用することは宇宙連合の規則を破ることであるのを、あなたは知っていたはずです。強烈な放射線ビームを発射する破壊兵器を使用したあなたたちは、地球を破壊へと導きました。その上、地球の住民の自由意志に反してあなたたちは、彼らの進化に介入しました。この罪はさらに重いのです」

アヌ一族は開拓地である地球において、個々の領土を巡って醜い争いを起こし、地球人をまきぞえにした。彼らの野望はエスカレートし、最終的に宇宙連合の規則さえ忘れてガンディバまで使用した挙句、ガンディバを使用した罪は重かった。アヌンナキの領土はおろか、地球全体に邪悪な嵐をまき散らし、それは太陽系全体にまで放射線で充満させた。そこで宇宙連合が介入してきたのである。この深刻な非常事態を、宇宙連合が見過ごすはずはなく、これによって地球におけるネフェル(アヌンナキ)同士の戦争に終止符が打たれることになったのである。よってアヌを筆頭とするネフェルの神々八名が、総司令官ソ・ラーラによって出頭させられ、宇宙連合の最高コマンダー12名からなる、評議会にかけられることになった。

ソ・ラーラがアヌたちに下した介入罪も非常に重い罪だった。この判決が下された途端、出頭命令を受けた者たちの姿はあっという間にアトリウムから姿を消されてしまった。

ネフェルによって地球は破壊寸前にされ、ついに宇宙連合が介入した。宇宙連合からすれば、ニビル星人は地球を遊び場にしたという判断だった。もともと地球は、それまでもいろんな惑星からの侵入者たちに支配されてきたわけだが、もはやニビル星人が、地球を巡って争う自由は無くなった。たしかなことは、彼らは宇宙の創造主であるクリエーターの意に背いたという事実だった。彼らは、取り返しのつかない間違いを犯してしまったのである。あの恐怖の武器を使用したことは完全たる間違いだった。さらに、人間の能力を高めるために、プロトタイプの人類のままでほっておかずに、彼らの遺伝子を操作した介入罪も重かった。宇宙連合とニビル星との惑星間の条約は、あくまでもニビルが必要とする金を得るためだけで、それ以外、地球に関わることは許されてはいなかったのだ。つまり、本来ならば、人類の祖先は進化することさえも許されてはいなかったことになる。

「ゾーム」と呼ばれる壁は、目に見えない壁で、その中に閉じ込められたイナンナは、肉体的な苦痛は無かったにしても、二次元に閉じ込められたような感覚を覚えた。自分がうすい紙のようになり、額縁の中に封じ込められたようだった。それは、牢獄に閉じ込められた感覚どころか、今まで味わったことのない不自由さがあった。ゾームの中では身動き一つ取れないという不自由な差ではないが、ある一定の周波数によって目に見えない、触れられない壁でイナンナは包囲されていた。

イナンナだけではなくアヌをはじめとする後の七名も同じで、壮大な宇宙のどこかできっとゾームの中に閉じ込められたまま漂っているのだろうとイナンナは思った。彼らは無力に等しく、自分たちがそれまであらゆるme(メ)を使ってやってのけてきたあらゆる魔法も使うことはもはや不可能となった。彼らの体は、ゾームの中でそれまでの青い輝きを失い、宇宙に永遠に漂いながらただかすかに呼吸をし続けた。彼ら自身の持ち前のパワーも能力も消えて、単なる枠の中の傍観者を味わうしかなかった。皮肉にも「ネフェル」とは、傍観者という意味であることを彼らはゾームの中で噛みしめていた。

鉛のように重いゾームの中でしばらくそうしているイナンナの心の目には、ニビル星人として地球で過ごした記憶がぼんやりと映し出された。そのあと、地球でのルルたちがゾンビーのような姿に変わり、さ迷っている光景も現れた。今までの自信や喜びがすべて消滅していく感覚をイナンナは夢うつつ状態で感じていた。
(このまま、これが永遠に続くのか……)
そんな不安な感情さえも徐々に失われていった。恐怖と不安すらも感じられないほど鈍い感覚に入っていった。彼女はただそれを受け入れた。最初のうちは混乱していたものの、永遠の墓場であるゾームを徐々に受け入れる姿勢に変わっていった。

そのうち「退屈」がじわじわ湧き上がってきた。これはニビル星人にとっていちばん苦手で、それまで知らなかった感覚だった。退屈こそ彼らにとっては耐え難く、ついにゾームの中で彼らは発作的にイライラしだした。そんな風になっていく自分たちのことが恐ろしくなった。今までの彼らは、自由と進化を楽しみながら宇宙中を旅するタイムジャンパーだったのに、まるでイライラする人間のように、いや檻に入れられた動物のようにさえ感じられた。星を創造するほど進化したテクノロジーを持つニビル星人でさえ、地球での好き勝手な振る舞いが、このような結末を招いてしまった。それは、後の世で進歩したと信じている人類が、月面着陸した際に国旗を立てるのと同じように無知と勝手きわまる無神経さからきていた。



あれからというものアヌンナキとしての進化も、プレアデスのハイブリッドとしての進化もストップしてしまいました。私たちがあなた方に関与しすぎたことが原因だったのです。しかし私があなた方を愛していることには変わりません。あなた方、人間のことをほんとうに理解しているのは、宇宙中でアヌンナキだけなのです。しかし、行き過ぎてしまったことは反省しています。すべては、あなた方のためを思ってのことだったということを分かってください。今、この時期にこうしてあなた方にアヌンナキの物語を語るのは、あなた方に私たちと同じようなミスを繰り返して欲しくないからです。だからこそ、私たちの秘密を語っているのです。ニビル星は、地球のバイナリスター(伴星)である褐色矮星群です。あなた方とは兄妹の星です。互いに存在しているかぎり、相互作用し続けるのです。私が今いるこの次元からあなた方に分かち合うエネルギーが融合すると、そこから新たなスタートがはじまります。その新しいエネルギーがフリクエンシー(周波数)となって宇宙全体に広がり、あなた方はもっと明瞭かつシンプルな次元へとシフトすることができます。新しい扉が開かれるようにぱっとすべてが変化します。そのようにして新しい地球が訪れるのです。その地球においては、もっと平和でもっと深い理解があるでしょう。まずは、私たちとの間に過去への理解が生まれなければなりません。もうすぐ互いに愛のエネルギーを分かち合い、ユートピアを共有できるようになるということを信じてください。そうでないかぎり、私たちがいるこの壁も消えることはないのです。総司令官ソ・ラーラによると、ゾームは私たち自身がクリエートしたということらしいです。なぜこうなったのか、ようやく私は今理解できるようになったところです。

イナンナは語る

ネフェルたちも自分たちがどれほど重い罪を犯したのか、最初は自覚していなかったが、次第に反省できるようになった。そして、すべてを見通している総司令官ソ・ラーラが唯一寛大な処置をとったのは、彼らに何が起きているのかを理解する能力だけは奪わなかったことだった。それでも、イナンナは不服に思うことがひとつあった。それはマルドゥクがこの刑を逃れていたことだった。ゾームに閉じ込められたまま、もうろうとした意識の中でイナンナはそう思った。閉じ込められたアヌンナキの中には、地球を狙う誰かが宇宙連合に装って、自分たちから地球を奪い取ろうとしているのではないかと妄想したり、自分たちよりもずっと前から宇宙連合に関わっているシリウス星人の仕業ではないかと疑ったりする者もいた。この事態を当然責め合ったりもした。

一方、地球で難を逃れたネフェルたちは、各領土を置き去りにして最悪の状態が訪れる前に地球を脱出していた。ラーム(火星)は地球より破壊状態がひどく、イギギたちはそこへは戻れなかった。地下に潜る者たちもいたが、ウツといっしょに月に移住する者たちもいた。それ以外は、多くが地球のルルと結ばれていたために、家族を残して地球を離れることはできなかったので、彼らは皆、地球を襲った大災害に呑み込まれていった。

ニビルの王アヌをはじめとするゾームに閉じ込められたアヌンナキの8名の神々を助けるために、ゾームを破壊する方法はないものかと、アンツをはじめ、ニビル星の学者たちは試行錯誤した。しかし、洗練された複雑なその壁は彼らでも容易に破ることはできなかった。ゾームの中で退屈を覚えた彼らは、やがて無気力になっていき、ついには絶望感に打ちひしがれていた。このような最悪の状態では、彼らニビル星人の神々の気高き誇りも腐敗し、自分たちの中にあったレプテリアン(爬虫類族)の血が騒ぎ始めたが、ただその状態で生き続けるしかなかった。

最終チャプター

イナンナの帰還



ゾームの中でイナンナは虚ろな状態になっていた。彼女は夢の中で、マタリとタラに会うと、いっしょにナガの地下帝国を再び訪れていた。イナンナは最後の力をふり絞り、老婆の女神に会おうとしていた。
「ここから先は、一人で進むように」
懐かしい声が聞こえてきて、老婆の女神は現れるとイナンナに告げた。そこで一人で、真っ暗な狭いトンネルを這いながら奥に進んでいると、向こうから急に卵型の光る物体が現れた。近づいてみると、イナンナが一人やっと入れるくらいの透明の卵型のカプセルがあり、そこからはゆらゆらと虹色の光が放出されていた。
「イナンナ、その中に入ってごらん」
再びナガの女神の声がした。イナンナは思い切ってその虹の波の中心に飛び込んだ。その途端、イナンナはなんともいえない安らぎに包まれていた。それは、まるで母の子宮の中に浮いている胎児のような心地よさだった。

(本当は最初から何も起きていなかった! これは、わたしが母上の体内で見ていた夢だったのかしら?)

その瞬間、イナンナはハッと目覚めた。これまでのすべてが、自分の心が創り上げたものであったことに気づいたのだった。彼女は、夢の中でアヌンナキのストーリーを生きていたことを知ったのだった。

 (アヌ一族のことも、このゾームのことさえ、すべてが夢の中の出来事なのね……。実際には、この暖かい母の卵の殻の内側にずっと横たわっていただけ。今私は、母の愛に包まれている……)

そう思った瞬間、うずくまっている自分の姿があった。両手を突き出して大きなあくびをしてみると、再び、ゾームの中に自分がいる。この二つの世界は、最初のうちはゆっくりと繰り返し交互に現れたが、そのうちスイッチをオンオフするように早く切り替わっていった。イナンナの意識は、まだ夢うつつ状態だったが、突然、ソ・ラーラの声で、叩き起こされるような感覚を覚えた。
「目覚めるのです、イナンナ!」
耳元で、ソ・ラーラの声がした。
「イナンナ。あなたにチャンスが巡ってきました。さあ、お戻りなさい、地球へ。あなたの魂が愛する地球にもう一度戻るのです!そのための肉体候補がすでに見つかっています。移動する準備は、できていますか?」
「もちろんです、ソ・ラーラさま」
「ではウォークイン・チェンバーに案内します」
ついにイナンナは、ゾームから解放された。彼女は再び地上に戻ってきた。かつて地上で羊飼いの神ドゥムジを探して冥界をさ迷い旅したように、今、また地上に甦ったのだ。ゾームから脱出することができたイナンナは、やっと自由になり、天と地の偉大な女王として復活した。女神イナンナは、やり残した女神の使命を達成するために再び地球に戻ってきたのだ。

私は、松明の火を握りしめ、闇を明るく照らすために戻ってきた真の自由の女神なり。あなた方は、今という大切な時期に生きているということをもっと認識する必要があります。自由な存在であるということを思い出さなくてはなりません! そこからすべてがスタートします。シフトは自発的に訪れるということを信頼してください。それは、シンプルな道(メソッド)で訪れます。チャンスとしてあなたの前に訪れるはずです。私イナンナは闇と戦い、勝ち残った勝利の女神です。個々の解放を求めて叫んだ女神です。そして、あらゆる権利を取り戻すために戦った女神なのです。そして、あなた方と同じように自らの身を以ってあらゆることを学びました。

イナンナは語る

宇宙連合であるウエストスターには、天使界・霊界の存在たちも含めて、宇宙のさまざまな代表たちが集まっている。ライトブラザーフッド(ホワイトブラザーフッド)をはじめとし、あらゆる高次の存在たちが出入りする機関であり、彼らがクリエーターのサポートの下、自分たちの目的を達成するための機関、それが宇宙連合である。

イナンナが宇宙連合総司令官ソ・ラーラから受けた、地球人にウォークインするというミッションは、イナンナにとって願ってもないことだった。ウォークインと呼ばれる現象は、現在でもまだきわめて稀であり、宇宙連合の計らいがなければ適わないことなのである。イナンナはソ・ラーラによってこの特別な特権を与えられたのだ。

「地球2012年12月21日 場所カナダ国、女性 バンクーバー諸島に向かへ!」

イナンナは、指令を受けると宇宙連合の超新型シェムを与えられて地球へ向かった。ある地球人の女性の肉体に入るという計画を実行するためだった。自分の魂が、地上の肉体の持ち主と完全にすり替わり、その女性として生まれ変わることがイナンナに許された選択だった。ウォークインして新たな肉体を授かった後も、ウォークインのケースでは珍しく以前の記憶は残されることになった。イナンナは、自分の故郷であるニビル星に自由に行き来できるウォークインとして、地球に戻ってくることになった。そしてイナンナは、この時期に地球に戻れることにわくわくした。

彼女と同じアヌンナキの魂を持つ者は、彼女以外にもこの地球にいるはずだ。イナンナのような宇宙人が、今この地球で、まったく人間と変わらない生活をしているということに、あまり誰も気づいていない。宇宙連合によると、イナンナのような形でウォークインして地球にいるのは、約230名という。地球にウォークインして訪れている者は宇宙人が多いが、ウォークインする肉体の持ち主の祖先の魂だった存在もいたりする。宇宙人も含めて、多種多様の存在たちがウォークインして地球に戻り、人間たちに混じって生活しながら、目まぐるしく変容する今の地球のサポート役を引き受けている。

ウォークイン

30代のある女性の肉体に融合する許可がイナンナに下りた。その女性は2012年の晩秋、カナダのバンクーバー諸島のある小さな島にやってきて、ニューエイジ系のワークショップを受けている最中だった。その時、イナンナを乗せた小さなシェムが島の南側に着陸した。霧の深い、まだ誰も起きていない早朝に、イナンナはソ・ラーラからの最後の指示を海岸近くで待っていた。

ヤスミンという名の女性は、そのワークショップに参加する数か月前に、致命的な交通事故に遭遇していた。そして、彼女がER(緊急救命)室に運び込まれた時、自分を幼い頃から守り導いてくれていた彼女のガイダンスから、これからその島で起きることを前もって聞かされていたのである。ベッドに横たわり、こん睡状態が続く中、ヤスミンは別の次元ではっきりと覚醒していて、彼女のガイダンスのささやきに耳を傾けていた。

「ヤスミン、あなたは無事にあなたのライフパーパスを達成しました。おめでとう! これ以上、ここに留まる必要はありません。次の進化のプロセスに進む時が来ました。あなたもそれをうすうす気づいていたはずです」

「はい、なんとなく……。この時を私は待っていたような気がします。私のこの肉体を必要とする者に譲り渡すことになるのですね」

「そうです。では、そのプロセスにかかります。今からあなたの肉体は甦ります。回復して次のサインが届くまで、普通の生活に戻りなさい」

こうしてヤスミンは、事故から一命を無事に取り戻し、回復に向かった。しばらくすると、彼女のガイダンスは、再びヤスミンにある共時性を通して指示を送ってきた。それに従って彼女は、バンクーバー諸島のある小さな島で開催されるヒーリングのワークショップに参加することになった。そして、海岸沿いのリトリートハウスで講習を何日か受けていたあるとき、再び自分の耳元でガイダンスの声が聞こえた。今度はまるで誰かが真横にいるようにはっきりとした声で聞こえた。

「誰にも気づかれないように、そっと教室を抜け出しなさい。島の南の岩が連なる辺りを歩いて行きなさい」

ヤスミンはそこに着くと、ガイダンスはもう一度彼女に念を押した。それは、シェムの中で待機していたイナンナにも総司令官ソ・ラーラが確認した同じ最後の言葉だった。

「本当にいいのですね」

イナンナもヤスミンも、同時に深く頷いた。彼女たちの決心に揺らぎがないことが確認されると、ヤスミンのガイダンスは、彼女に岩の上に横たわり、リズミカルな呼吸をするように導き、彼女の光体が肉体を離れる準備を整えた。岩の上でヤスミンが呼吸を続ける間、イナンナはシェムの中で、ソ・ラーラからの次なる指示を待った。ソ・ラーラ以外にもアシュター、トーリン、そしてアラールといったコマンダーたちが、それぞれの乗物に乗ってきて、イナンナが岩場に着陸すると、そのシェムの上空を回旋した。そして、ついにGOサインが出された。

彼女の意識のすべての側面を、その感覚は包みはじめた。イナンナが乗っていたシェムから飛び出したスパイラル状の光が、岩の上に横たわるヤスミンに入った。一方、ヤスミンの体に一筋の光線が飛び出し、総司令官ソ・ラーラのシェムの方に消えていった。イナンナは、岩の上に横たわるヤスミンの頭から左肩にかけて、まるで服を着替えるように侵入していった。とたんに、それまでのアヌンナキとして肉体の軽さがどんどん抜けていき、代わりにとてつもない重力をその体の中で覚えはじめた。人間の肉体という、今まで知らなかった質量をイナンナは感じていた。イナンナの魂は、次第にその新しい感覚に溶け込み慣れていった。

その新しい身体は、イナンナにとってコンクリートのように硬い空間であり、体を動かすことも、指一本動かすこともできなかった。そのうち、横たわる岩の上まで海の潮が満ちてきてきた。イナンナは、深いトランス状態の中で、痙攣を起こしたような動きしかできなかったが、ようやく時間をかけて、自分の足を動かすことに成功し、なんとか立ち上がると、ワークショップが行なわれている部屋まで戻って行った。部屋に辿り着くと、参加者たちはヤスミンの変化に気づいたが、幸いにもヒーリングセミナーに集まる人々は皆、親切にヤスミンのことを気遣い、いたわってくれた。

イナンナにとって、地球人としての肉体を持つことは、頭で考える以上に大変なことだった。自分が元々持っていたエネルギーの波動と同調しないために、肉体的にも精神的にも混乱し、頻繁に痙攣を起こすことになった。さらには、その喉を通して出る無機質でロボットのような声は、今までのヤスミンと違っていた。そのことに周囲の誰もが気づいていた。最初の頃は、肉体がイナンナを拒否しているのか、目の動かし方など身体の各パーツの動きはぎこちなかったが、半年ほど時間をかけると、イナンナは徐々にその体に慣れていった。一方、肉体を去ったヤスミンの魂は、しばらくの間ウエストスターに留まり、最終的に彼女自らの魂の使命を果たすためにグレートスピリット(大霊)の元に戻っていった。

地球ではヤスミンという名で、イナンナの新しい生活が始まった。総司令官ソ・ラーラはウエストスターに戻る前に彼女にあることを告げた。

「あなたの使命は、人間と宇宙人のコミュニケーションのギャップを埋めることです。そして、私たちのテクノロジーの紹介や教育プログラムを通して、人間に宇宙との交流が公になる日のためにその準備を進めることです」

「はい、ソ・ラーラ様、承知しました。でも、あのマルドゥクはどうなったのでしょうか?」

「まだ、気になるとは・・・やがて、あなたにもきっとわかる日が来るでしょう」

イナンナは、アヌ一族の物語を話し終えたことによって解放された。これは、ナガの老婆の女神の導きでもあり、宇宙連合総司令官ソ・ラーラの計らいでもあった。こうしてイナンナは、地球年西暦2012年に、ある肉体にウォークインして地球に戻ってきた。人間が再び自由で無邪気な遊び心を取り戻すことができるように、それを願って彼女はこの地球に戻ってきた。

イナンナは、まさに永遠に人間を進化に導く女神なのである。そして彼女は、彼女自身のこの物語の中に、今の地球人が思い出す必要のある数多くの記憶を象徴として語り残したのだった。

私は、あなた方のDNAが変化する準備のために戻ってきました。あなた方と地球が共に完全にシフトできるように。それが可能になれば、私たちアヌンナキも自由になれるのです。これも地球がバランスを取り戻すために必要なプロセスであることを知ってください。私自身が、あの頃のように自由で、創造のエネルギーに満たされるために・・・そうなれば、あなた方に対する私の愛も、きっと新たなフェーズを迎えることでしょう。よきコンパニオンとして、いつまでもあなたといっしょに旅することができますように祈っています。

イナンナは語る -おわり

全編は、sonia.thd-web.jp/e18200.html


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